菅田将暉×有村架純、初のW主演で贈る、最高純度のラブストーリー『花束みたいな恋をした』。公開から1ヶ月が経ちますが、まだまだ“はな恋現象”の勢いは止まりません。1月29日(金)の公開から動員数は5週連続1位を記録中。『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』、 『銀魂 THE FINAL』と超人気漫画原作によるアニメ映画の好成績が続いていた中で、実写映画1位は昨年9月18日公開の『TENET テネット』以来。大学時代に出会った二人の5年間の物語が描かれる本作、幅広い年齢の方たちを魅了しています。
映画『花束みたいな恋をした』
誰の心にもある忘れられない恋
東京・京王線の明大前駅で終電を逃したことから偶然に出会った大学生の山音麦(菅田将暉)と八谷絹(有村架純)。話せば話すほど、好きな映画や漫画、音楽が嘘みたいに一緒であることに気づきます。あっという間に恋に落ちた麦と絹は、大学を卒業し、フリーターをしながら“最寄駅まで徒歩30分”にある多摩川沿いの部屋で同棲生活をスタートさせます。
©︎2021『花束みたいな恋をした』製作委員会
拾った猫に二人で名前をつけ、渋谷パルコが閉店しても、スマスマが最終回を迎えても、二人の“好き”、日々の現状維持を目標に就職活動を続けながら生活を続けます。本作は、そんな二人の“最高の5年間”を描くラブストーリーです。
二人の5年間に欠かせない“ファミレス”
本作の脚本は「Mother」(10)や「最高の離婚」(13)、「カルテット」(17)など、連続ドラマの金字塔を数多く手掛けてきた脚本家・坂元裕二。ファミレス、パン屋、多摩川沿いのアパートなど、二人の日々が刻まれる場所、そこで交わされる会話に惹きつけられます。吸い込まれるように麦と絹の世界観に誘ってくれます。
京王線沿線に実際にある場所が登場するので、会話もよりリアルに引き立ちます。特にファミレスのシーンは、二人が恋人になる場所でもあり、恋人関係の解消を決める場所にもなる、とても重要なスポットで、ドキドキやときめき、切なさや後悔などあらゆる思いが交錯します。麦と絹の5年間を語る上で欠かせない、ファミレスシーンは必見です。
「始まりは、終わりの始まり。」
これは、絹が愛読していたブログの一文です。麦との海岸デートシーンで、キラキラと輝く二人の姿をバックに淡々としたトーンでの絹のモノローグが流れます。運命的な出会いを経て、愛おしい日常を送っていく二人。しかし、現実は甘くうっとりすることばかりではありません。二人の大切な生活を守ためには、仕事も必要。好きな仕事、憧れの仕事につけないことだってある。余った時間で好きなことをやればいいと思っていても、そこには時間も体力も必要にもなります。理想と現実のズレ、その積み重ねが、徐々に二人の関係の終わりへと進ませるのです。
1冊の本を二人で一緒に読んだり、最寄駅から徒歩30分での会話を楽しんだり、近所に美味しいパン屋を見つけたり。何気ない日常で特別を感じる二人の時間に、徐々に入り込んでくる現実。恋愛、同棲、仕事、結婚、どんなシチュエーションでもぶつかる理想と現実のギャップに気づいたとき、どのような選択をし、折り合いをつけていくのか。そんなことも考えさせられる作品です。