ブレイクタイムのお供に人気のコーヒー。コンビニコーヒーやインスタントコーヒーもお手軽でいいけど、たまには「最高級」と言われるコーヒーを飲んでみたいと思いませんか?とはいえ、最高級コーヒーと言われるものも種類が多く、何を基準に選んでいいか分からない方も多いはず。
そこで今回は、一生に一度は飲んでみたいおすすめのコーヒー豆をご紹介します。
おすすめコーヒー豆1 ブルーマウンテン
まずはコーヒーの王様とも称される「ブルーマウンテン」。コーヒーに詳しくない方でも一度は聞いたことがあるはず。ブルーマウンテンは自然豊かなカリブ海に浮かぶ、ジャマイカで生産されているコーヒーです。
収穫から栽培まで、すべて手作業で行われているのが特徴の一つです。さらに標高1000メートル前後の高い場所でしか栽培することができません。
しかし高すぎる場所でも育ちにくくなってしまうというデリケートな品種でもあります。そのため大量に栽培することができず、希少価値の高い最高級コーヒー豆として扱われるようになりました。
味の特徴としては全体的にクセが少なく、バランスの整った味として定評があります。もちろん最初にご紹介したように、味の感覚は人それぞれですが、最高級コーヒー豆の初心者の方におすすめです。コーヒー豆の単価は100gで1,000~3,000円前後といわれています。喫茶店やホテルの場合は1杯1000円前後で味わえます。
おすすめコーヒー豆2 コピ・ルアク
コピ・ルアクは世界最高級と言われているコーヒーです。
インドネシアで生産されており、その特徴は「ジャコウネコ」の糞から採取されるという点。「動物の糞から採取されるなんて……!」「衛生面で問題がありそう」といった声が聞こえてきそうですが大丈夫です。
最高級と言われる秘密は、ジャコウネコのエサとなるコーヒーチェリーにあります。コーヒーチェリーとは、コーヒー豆の実の部分ですが、ジャコウネコはこのコーヒー豆のタネの部分を消化せずに糞として排出するのです。タネの部分はジャコウネコの体内で発酵されたため、独特の香りが付きます。こちらを丁寧に洗浄し、乾燥させたものが「コピ・ルアク」となるわけです。
仕組みを聞くと飲むのをためらってしまいそうですが、それでもコーヒー豆としては最高級のランクを誇ります。ホテルなどのラウンジでは1杯5,000円することもあるのだとか!通販などで入手できる焙煎豆でも100gあたり4,000円以上はする代物です。
おすすめコーヒー豆3 ブラックアイボリー
ブラックアイボリーもコピ・ルアクと同様に最高級のコーヒーとして知られています。原産国はタイで、さらにこちらも「動物の糞」を材料にしています。何の動物かというと、こちらは象です。
象もコーヒーチェリーをエサとしていますが、他にもバナナやリンゴを食べています。それらの果物独特の香りが、糞として排出されたコーヒー豆のタネに付くというわけです。
ただしブラックアイボリーとして使用できるのは、象が食べた分のごくわずか。希少価値は高いものの、チョコレートのような香りと、まろやかで苦みの少ない口当たりに仕上がっています。
日本国内の喫茶店やラウンジでは1杯8,000円で提供されるところもあり、コーヒー豆100gだと50,000円近くにもなると言われています。そこまで希少価値が高いともなると、一度は味わってみたいですね。
おすすめコーヒー豆4 パナマ・ゲイシャ
エチオピアの地名「ゲイシャ」を名前に冠するこのコーヒー。21世紀になって誕生した新しいコーヒー豆で、ゲイシャ種の一種です。もともとはエチオピアで栽培されていたのですが、当時は特別味がいいわけではなく人気のある豆ではありませんでした。それが標高が高めのパナマの農園で育てたところ、格段に味がよくなり、爆発的な人気が出たという背景があります。
ただし栽培が難しいため収穫量そのものが少なく、それに伴って値段もお高め。
非常に華やかな香りが特徴とされ、なかには香水のようと例える人もいるんだとか。甘みもあって、ほどよい酸味が心地よいコーヒーです。
希少性が高い豆なのでなかなか手に入らないものの、時折チェーン店などでも数量限定という形で販売されることがあります。もし見つけられたら一度挑戦してみてください。
迷ったら店員さんのにおすすめコーヒー豆を聞こう
コーヒー豆の銘柄がわかっていても、コーヒー豆を買い慣れていないとお買い物のときに、なんだか緊張してしまいませんか?また、いくらおすすめのコーヒー豆を紹介した記事などを読んで予習していたとしても、実際に飲んだことがないとなかなか選べません、
コーヒー豆選びで失敗したくない方は、やはり店員さんに相談して決めるのがおすすめです。専門店の店員さんは、コーヒー豆についての知識が豊富なので、あなたの希望に合った商品を選んでくれます。
具体的なコーヒー豆の銘柄がわかってなくても大丈夫。例えば、「酸味が強いものがいい」「毎日の朝食に飲みたい」「チョコレートと合わせて楽しみたい」などの希望を伝えれば、おすすめの銘柄を教えてくれますよ。
また、コーヒーを買うときは、事前に豆を買うのか、粉を買うのか決めていきましょう。というのも、お店に行くと必ず「豆か粉か」を聞かれます。豆タイプを選ぶメリットは、香りが楽しめることです。コーヒーが香りを発するのは豆を挽いた直後であることから、香りをじっくり楽しみたい方にぴったり。ただし、自宅にミルがないと豆を挽けないので注意してください。
一方で粉タイプのメリットは、豆を挽く手間がかからないこと。そのため頻繁にコーヒーを飲む方におすすめとなっています。
価格が高いコーヒー豆=美味しいとは限らない?
コーヒー豆に限らず、美味しい商品を探すときはどうしても高額なものに目がいきがち。しかしコーヒー豆の場合は、高額だからといって必ずしも「美味しい」とは限りません。当たり前のことですが味の好みは人によって違うからです。そのため安易に高額のコーヒー豆を買うだけでは、失敗する恐れがあります。何より大切なのは、自分の好みや、飲むタイミングを踏まえて豆を選ぶこと。
店員さんのおすすめも参考にしつつ、最高のリラックスタイムのお供になる最高の一杯を見つけてみましょう。
お気に入りのコーヒー豆が見つかったらカフェインのことも考えたい
寝起きの朝に、職場での眠気覚ましに、おやつのお供に…「コーヒーが大好きで一日に何杯も飲んでしまう」といった方もいるのではないでしょうか。お気に入りのコーヒーをお供に過ごす時間は幸せですが、カフェインの過剰摂取には注意したいところ。
カフェインは、コーヒー以外にも、日本茶や紅茶、ウーロン茶、チョコレートなどにも含まれており、古くから嗜好品として愛されてきました。
カフェインが持つ効果の1つに、眠気覚ましがあります。主に、脳の中枢神経系を興奮させることで、眠気を払ったり、集中力を高める効果が得られるのです。
このほか、カフェインの効果には、利尿作用や鎮痛作用といったものもあります。カフェインを摂取すると交感神経が刺激され、それに伴い腎臓の血管が拡張します。腎臓は血液をろ過し、体内の老廃物を尿として体外へ出す働きをしています。カフェインを摂取して血管が拡張することにより、ろ過される血液の量が増えて排尿の働きが強まるのです。
また、カフェインには血管を収縮させる働きがあります。そのため、血管の拡張による頭痛などに対して効果があるとされています。風邪薬や頭痛薬などの医薬品の箱の成分表示を見ると、カフェインが使われていることがあります。一方で、摂りすぎると、心拍数の増加、不眠、下痢などを起こすことがあります。特に妊娠中の場合は、流産や胎児への影響などのリスクもあるので、控えるようにと言われています。
カフェイン中毒とは?
カフェイン中毒とは、カフェインを摂り過ぎてしまうことによって引き起こされる中毒のこと。要因の1つに、「カフェイン耐性」というものがあります。これは、繰り返しカフェインを摂り続けることで、体がカフェインに反応しにくくなる状態のことです。さらに多くのカフェインを摂りたくなってしまう、「カフェイン依存症」というものもあります。それら2つが同時に起きてしてしまうことによって、継続的かつ多量に、カフェインを摂り続けてしまうことになるのです。
1日に摂っても大丈夫なカフェインの量には、基準があります。もし、その基準の量を大きく超えた場合には、次のような症状が出る可能性があるのです。
【身体的な症状】
- 胸痛
- 頻脈
- 嘔吐
- 頻尿
- 呼吸困難
【精神的な症状】
- 落ち着きがなくなる
- 感覚過敏になる
- 興奮する
- 不眠
などがあります。重要なのは、上記のような症状が見られ、本人がその症状に対し苦痛を感じているということ。さらに、その症状が原因で社会生活にも支障が出ている場合に、「カフェイン中毒」と診断されることです。「カフェイン中毒」になった状態で、カフェイン摂取を止めようとしても、離脱症状が起きてしまいます。具体的な離脱症状としては、頭痛や眠気、便秘、うつ、神経過敏、不安などがあります。
近年多発していることから、農林水産省のサイトでも「
カフェインの過剰摂取について」の注意喚起を行っています。
安全なカフェインの量は3mg/kg体重が目安
欧州食品安全機関(EFSA)は2015年にカフェインに関するリスク評価を発表しています。それによると、大人の場合、カフェインの摂取量が3mg/kg体重であれば急性毒性の心配はないとのことです。
仮に体重60kgの場合、1回180mgであれば大丈夫と考えられます。ちなみにレギュラーコーヒーに含まれるカフェインの量は、コーヒーの種類にもよりますが、1杯100~150mlとすると約40~90mgが含まれているといわれます。また、妊娠中の場合を除き、大人の場合は、一日あたり400mgまでであれば、健康リスクは増加しないとしています。同様に、妊娠中の場合は、一日あたり200mgまでとされています。
子どもの場合は、習慣的なカフェイン摂取に関する研究が進んでないため、確実とは言えないものの、3mg/kg体重/日までが安全とみなされています。体重が40kgほどであれば1日約120mgまでならば、カフェインを摂っても大丈夫、ということになります。
特に近年は、エナジードリンクの過剰摂取が問題となっています。成長期にある子どもに関しては、カフェインのない飲み物に切り替えるなどしたほうがよさそうです。
ノンカフェイン飲料の上手な活用を
「もしかしてカフェインの摂り過ぎでは」とドキッとした方もいるかもしれませんね。これからは、カフェイン量を確認してから買うようにするとよいかもしれません。特に子どもたちには、ノンカフェインのドリンクをあげるように気を配りたいものです。
最近は、カフェイン抜きのコーヒーや紅茶、ハーブティーなども販売されるようになっています。種類も豊富になっているので、家族の健康を考えてチェックしてみてはいかがでしょうか。
【参考サイト】
欧州食品安全機関(EFSA)、カフェインの安全性に関する科学的意見書を公表(食品安全委員会)
文/小野寺香織