新型コロナウイルス(以降コロナ)の世界的な流行により、日本でも大きな変化がありました。外出自粛や子どもの教育機関の閉鎖に加えて、出社を当たり前としないフレキシブルな働き方に移行する企業が増えています。

 

CHANTOの6月の特集はそんな変化に注目した「働き方のミライ」。みなさんと一緒に新しい時代の働き方を考えていきたいと思います。

 

これからの働き方を考えていくうえで、まずはCHANTO読者に今現在の働き方についてアンケートを取ってみました。働く女性のリアルを、“数字”で明らかにしていきましょう。

 

改めて「働き方」をアップデートするときがきた

いまや当たり前のように使われる「働き方改革」という言葉。CHANTOでもこれまで「働き方」について多くの情報を発信し、生きづらさを解消するような働き方について読者のみなさんと一緒に考えてきました。しかし、実際には自分が望むような働き方ができているという人はごく一部という状況が何年も続いていました。

実際に読者にアンケートをとったところ、コロナ禍以前から働き方改革が進んでいたと実感していた人は、回答者の半数以下という結果に。

 

ところが、今回のコロナ禍によってそんな「働き方」が、半ば強制的に変えられました。

今回のアンケートの回答者のうち約65%が「働き方が変わった」と回答。在宅勤務になったり、時差通勤になったことで、「働きやすさ」にも変化が生まれつつあります。

 

満員電車から解放された

働き方が変わったことによって働きやすくなったと感じている人は、実に7割を超えました。リモートワークをはじめ、働き方が変わったことで、これまで当たり前だった満員電車での通勤がなくなったり、フルフレックス制が取り入れられ、自分で時間をマネジメントできるように。これによって、「思い切り働くためには暮らしを犠牲にしなくてはいけない」「暮らしを優先させるために仕事をセーブするしかない」という図式が書き換えられつつあるようです。

 

さらに「子育てをするためには時短勤務が当たり前」という考え方も、今後は変わっていく可能性があります。今回のアンケートでは、リモートワークによって通勤に使っていた時間を勤務時間に充てられるようになったという声が見られました。「子どもが小さいうちは主に女性が時短勤務に切り替える」という選択をせざるを得ない人も多かったですが、リモートワークが定着することで、本当の意味での仕事と家庭の両立ができるようになるかもしれません。

 

CHANTO読者の声

「在宅勤務になったおかげで通勤時間がなくなり、家族と過ごす時間が増えました」(37歳/会社員/夫36歳、長女2歳)

「週休2日から週休3日に。仕事に割く時間が減って、身体的な負担がかなり軽減されましたね」(36歳/事務職/夫41歳、長女4歳、長男1歳)

「在宅で働くことになったことで、時短勤務からフルタイム勤務に戻すことができました。収入的な意味でも嬉しい変化です」(34歳/会社員/夫33歳、長男2歳)

「一番メリットを感じたのは、これまで在宅勤務について理解をしていなかった人たちが自分たちも在宅勤務をすることで、在宅勤務=サボりでなくできることがたくさんあることに気づいてくれたこと」(37歳/会社員/夫38歳、長男8歳、次男6歳

 

仕事の時間が短くなった…の声

通勤時間がなくなったり、残業がなくなったことで、仕事に関する時間は短くなったという人が多いようです。勤務時間そのものが変わらなくても、通勤時間を始めとする仕事の「周辺時間」がなくなることが働きやすさにつながります。

 

また、日中の時間の使い方にも変化の兆しがありました。出社が当たり前の場合、もちろん日中は仕事の時間になります。自宅にいないため、家電のタイマー機能などを使う以外に、家事をやる時間は作れないことが当たり前でした。

 

ところが、今回のアンケートで日中の時間の使い方を聞いたところ、「定時通りに働く」と答えた人は24%、「家事や育児を挟みながら細切れに働く」と答えた人は52%、「ノルマが終われば自由時間」と答えた人は13%という結果に。仕事と家庭の時間の境目が曖昧になったことで、「暮らし」に使う時間が増えたようです。

 

CHANTO読者の声

「自宅で業務ができて快適。他人の電話を取る必要がなく、自分宛ての電話対応だけでよくなったのがラク」(36歳/事務職/夫、長女)

「リモートワークによって、平日でも洗濯物を外に干せるようになりました。仕事の合間に運動できるようになったのも嬉しい」(35歳/会社員/夫35歳、長男4歳)

 

育児と仕事が同じ場で起こる障害

一方で仕事の効率については、まだ課題が残っています。アンケートでは「仕事の効率は以前より上がったか?」という質問に対し、約60%の人が「いいえ」と答えています。その理由として多くあげられたのが、「子どもの面倒を見ながら仕事に集中するのは難しい」というもの。

 

今回はコロナの影響で保育園や学校が閉鎖されたため、仕事をしながら子どもの面倒を見るというイレギュラーな事態が生じてしまいました。そのため、自分のペースで業務を進められなかったり、オンライン会議に子どもが乱入してしまったりと、子育てとの両立に悩んだと答える人が多くいました。

 

現在はコロナ禍以前のように子どもの保育園や学校が再開されつつあります。リモートワークによる作業効率について正確な判断はこれからになりそうです。

 

CHANTO読者の声

「研修などはリモートにしてもらったことで、1日ずっと子どもと一緒に過ごせる日ができました。ただ、子どもがいると仕事にならないのも事実。そのため、早起きしたり夜中に仕事をすることに…」(36歳/保育士/夫36歳 長女6歳 長男2歳
「小学校も保育園も閉鎖されたため、こどもたちの勉強見ながらの仕事になりました。家族の食事の時間に合わせて働くことになったので、効率は…。ただ、自分が働いている姿を子どもたちに見せられたのはよかったです」(40歳/会社員/夫41歳、長男12歳、長女10歳、次女5歳)