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vol.30 固定電話恐怖症 

育児、仕事、家事、社会のこと、ママたちが普段気になっていることをCHANTOモニターに大調査!ママたちの「どうして?」を「なるほど!」に変える記事をお届けします。vol.30は「固定電話恐怖症」についてです。

「固定電話恐怖症」の若者がここ数年で増えていると情報番組やネットで大きく話題となりました。固定電話恐怖症とは、会社の電話をとることに恐怖や不安を覚える症状のことです。携帯電話やスマホの普及により家庭に固定電話がなく、SNSなどの文字でのコミュニケーションに慣れているため、音声での応対に過度な緊張を覚えてしまうことが原因とされています。



今回は、こうした固定電話恐怖症や仕事での連絡手段についてCHANTOモニターのみなさんと考えました。

固定電話とSNS世代の間に深い溝…コミュニケーションの橋渡しは可能!?

まず固定電話恐怖症の実態を探るため「職場の若手社員に固定電話恐怖症を感じますか?」と尋ねました。

 

「非常に感じる」16%「時々感じる」29%で計45%、「あまり感じない」38%「全く感じない」17%で計55%。約半数の人が若手社員に固定電話恐怖症を感じているようです。

さらに「職場で慣例となっている電話応対のルール」について尋ねたところ、「新入社員がとる」27票、「1コールや2コールで取るというルール」(26票)の2つがトップを占めていることがわかりました。多くの会社では、社会人としての電話応対に慣れてもらう意味を込めて、新人が電話応対を積極的に行うのが依然として慣例となっています。

 

今の新人は固定電話に馴染みのない世代なので、不慣れな電話対応のマナーに対する不安は、私たちの世代よりも恐らく大きなものでしょう。また、そもそもの業務内容が完全に把握できていない新人は都度、先輩に聞かなければ対応できない問い合わせも多いもの。それにもかかわらず、職場の上司・先輩との人間関係を築く前から素早い対応を求められることなどが、固定電話恐怖症の一因かもしれません。

最近は固定電話だけでなく、メールやSNSなどさまざまな連絡手段があります。どれが全ての年代に受け入れられるツールなのでしょうか?最後に「今の時代、誰もが抵抗なく連絡できる手段として何が適していると思いますか?」と尋ねました。


結果は、「メール」が40%で1位でした。その理由として「年齢問わず連絡できることがよい」「他の業務との兼ね合いによって、好きな時に読めて好きな時に返せる」などが挙げられています。

 

メールは電話やSNSなどと比べて若手でも年配でも使いやすいと考える人が多く、電話のようにその場でのレスポンスが問われず、ゆっくり考えて返事ができるのも理由のひとつようです。やるべき仕事の優先順位を整理しながら返信のタイミングを決められるため、覚えるべき仕事や時間に追われがちな若手にはキャパオーバーに陥らないためにも有効な連絡手段かもしれません。


2位はわずか6ポイント下回ってSNS(34% )でした。「LINEなどでのグループ一斉送信はラク」という気軽さが人気のようです。一方で「年配の人が抵抗を持っている」というデメリットを感じている人もいました。すぐにやりとりができるためとても使いやすいツールですが、「業務上の連絡をSNSでするのは失礼」と感じる人もいるので気をつけて使いたいところです。

若手社員が固定電話に苦手意識を持っていたり、年配社員がSNSが苦手だったりとそれぞれ得手、不得手なツールはあるものです。たくさんの連絡手段がある中で、仕事相手や状況に合わせた連絡方法を意識し、互いに理解、配慮できたらいいですね。私たちは、若手世代と年配世代の中間にあたる世代です。固定電話とSNSの使い方で困っている人のサポートに積極的に回ったり、その中で相手の声が聞こえる電話のよさや即時性のあるSNSそれぞれの良さを伝えたりと、互いの世代の橋渡しとなれれば。


また、ビジネスチャットツールやテレビ会議が普及したように、今後も新しい連絡手段が出てくるでしょう。「自分たちの使いやすいツールこそがスタンダードだ」と思い込まないことが、コミュニケーションを潤滑にする秘訣なのかもしれません。

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取材・文/阿部祐子 イラスト/児島衣里

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©️CHANTO調べ 調査期間:2019年3月5日〜2020年3月14日 調査対象:CHANTOモニター106人