医療機関を受診したとき、最初に記入を求められる「問診票」。病気やけがの診察と、関係ない項目も含まれているように思えるため、なかには記載が適当だったり、自分が答えたい項目しか書かない患者さんも。 「症状」のみを記入して、「そのほかはあまり関係ないから適当に…」という方も少なくないのが現状です。関係ない項目も多いと思われがちな「問診票」ですが、これは診察の第一歩。 正確に記入しないことで医師が必要とする情報が伝わらず、診察がスムーズに進められないこともあるのです。「問診票」を書くときに、どんなところに注意すべきか医師が詳しく解説します。

女性に多い「お酒」と「たばこ」の過少申告

 

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医療機関によって問診票の質問項目は異なりますが、「1日の飲酒量」や「1日のたばこの本数」「喫煙年数」などを記入する欄があると思います。 女性の患者さんで意外と多いのが、この、お酒やたばこの「過少申告」です。ですが、これは絶対にNG

 

軽い風邪で内科を受診したり、生理不順で産婦人科を受診したり…そんなときに、お酒やたばこの情報は無関係に思えるかもしれません。 ですが、お酒やたばこは知らず知らずに身体に大きなダメージを与えているもの。「どの程度の量を、どれくらいの期間、飲んだり吸ったりしたか」によって、発症しやすい病気は異なります。

 

また、普段から多くのお酒を飲んでいたり、たばこを吸っていたりする方は免疫力が低下しがちなため、病気が重症化しやすいもの。 医師としてはその情報から「注意深く経過を見ていく必要がある」ことを認識します。また、場合によっては検査や治療方針が変わってくることも少なくありません。

 

ついつい過少申告してしまいがちな「お酒とたばこ」ですが、正しい診察を進めるためにも、必ず正確な情報を記入するようにしましょう。