健康を維持したりサポートする効果を発揮する「機能性表示食品」ですが、そもそも「医薬品」ではなく、病気を治療するものではないということはご存じでしょうか? 混同しやすい「特定保険用食品(トクホ)」との違いや、摂取のタイミングなど、「機能性表示食品」について詳しく解説します。
「特定保健用食品(トクホ)」との違い
「特定保険用食品(トクホ)」と「機能性表示食品」は、いずれも科学的根拠に基づいて健康に対する、機能性を表示した食品のことを言います。それぞれの概要は以下です。
特定保健用食品(トクホ)
健康に対する有効性や安全性が、科学的に認められた食品であることを表すために、平成3年に制度化されました。 「特定保健用食品(トクホ)」として販売するためには、消費者庁長官による許可を得る必要があり、許可を得た証拠として商品にマークを表示することができます。
機能性表示食品
平成27年4月から、食品の機能性をわかりやすく表示することで、消費者が正しい情報を得て商品を購入できるようにしたもの。 国による審査を行った上で機能性を立証される「特定保健用食品(トクホ)」とは異なり、機能性表示食品として食品を販売するためには成分ごとの特別な検査や試験は必要ありません。 販売する企業が、あらかじめ機能性に関する根拠の届出を消費者庁に出していれば、機能性表示食品として販売できるようになります。
つまり、特定保健用食品と機能性表示食品の大きな違いは、次の通りです。
特定保健用食品:消費者庁の認可が必要
機能性表示食品:販売する企業の責任で機能性を表示。消費者庁による許可はない
一見、消費者庁の許可を得ている「特定保健用食品(トクホ)」の方が信頼できるようにも感じます。しかし機能性表示食品においても、次のような形で販売後も消費者庁の監視下にあります。
●販売企業は、国の定めたルールに基づいた体制を整え、機能性と安全性について販売60日前までに届け出る必要がある
●企業が届け出た機能性や安全性に関する内容を、消費者庁のWEBサイトにて公開する 健康に対する一定の有効性と安全性が、期待できると言えるでしょう。