「おいしいものを食べて日々の活力を養う」という方は少なくないでしょう。食の楽しみをもたらす「味覚」は、私たちに生まれつき備わっている感覚のひとつです。 しかし味覚は、些細な原因で異常を来すことも少なくありません。あなどって放置すると体に思わぬ悪影響があらわれることもあり、早めの発見・対処が必要です。詳しく解説します。
味覚障害が起こるとどんな問題があるの?
味覚障害とはその名の通り、「味を感じる感覚」に異常が生じる症状のこと。味が分からなくなるだけなら、たいした問題ではないのでは? と思う方もいるでしょう。 しかし、味覚は私たちの生命を支える重要な感覚のひとつです。私たちは植物のように、身体の中でエネルギーを作り出すことはできません。 そのため、食べ物や飲み物を摂り入れて、身体を維持するのに必要なエネルギーや栄養素を補っているのです。
味覚は食欲を刺激する大切な感覚です。味覚に異常が生じると、飲食物を口に入れて咀嚼して飲み込む、という一連の動作に苦痛を感じるようになってしまいます。 その結果、食欲が著しく低下し、栄養不足や脱水に陥ってしまうことも少なくありません。
また味覚には食欲を刺激するだけなく、消化酵素を含む唾液の分泌を促してスムーズな消化をサポートする役割や、腐ったものや毒味のあるものを避ける役割もあります。 そのため、味覚がダメージを受けると飲食物の消化も悪くなり、身体にとってよくないものを口にしてしまう可能性も生じるのです。