身体の不調を感じて病院を受診したとき、どのような診療を望みますか?「手早く診察を終えて短時間で帰りたい」「ありとあらゆる治療をじっくりしてほしい」など、人によって希望は異なるでしょう。 基本的に医師は、患者さんの希望に沿って診察や治療を進めていきます。しかしなかには、医師から見て検査の必要がないにも関わらず、強く検査を希望する方もいらっしゃいます。 「診察よりとにかく検査を!」と考える方に、医師である筆者からお伝えたいことをご紹介します。

1.「検査が必要かどうか」判断は医師に任せて欲しい

 

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医師は、患者さんが訴える症状、身体所見、これまでの病歴、そして検査結果などを総合して、病気の診断を下します。 病院で行う検査は、血液検査、レントゲンやCTなどの画像検査、心電図検査、呼吸機能検査など、非常に多岐に渡ります。 その中から医師が「診断を下すために必要な検査」を選択していくのですが、身体所見でどのような病気かはっきりわかる場合は、検査を行わない場合もあります。

 

たとえば「頭痛」を訴える患者さん。嘔吐や神経障害などを伴い、明らかに脳卒中などが疑われる場合は、CT検査を行います。 一方で、軽い風邪症状としての頭痛が強く疑われる場合はCT検査をすることはまずありません。 このように、患者さんそれぞれの症状の強さや身体所見から、検査が必要かどうかを判断しているのです。

 

しかし「検査をしなければ正しい診断ができないのでは?」と考える患者さんも少なくありません。多くは「検査が必要でない」旨を説明すれば納得してもらえますが、なかにはそれでも強く検査を希望する人もいます。 医師には、正しい診療を行うこと以外にも、「不必要な医療をできるだけ省くスキル」が求められます。というのも、医療財源は限られているから。医学的に見て不必要な検査を多くの医師が行うと、医療財源を圧迫してしまう可能性もあるのです。 このため、検査が必要かどうかの判断は医師に任せて欲しい。筆者はこう考えます。

 

 

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