スロートレーニングは、運動に慣れていない人や忙しくて時間がない人でも、効果的に安全に行えるトレーニング方法。昨今の事情から、在宅勤務などが増えているいま、働く女性におすすめしたいトレーニングです。スロートレーニングの特徴や効果、メリットについて、理学療法士が詳しく解説します。

スロートレーニングとは

 

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スロートレーニングとは、その名の通り、「ゆっくりとした動き」で筋肉に低い負荷をかけ続けながら行うトレーニング方法のことを指します。 筋肥大や筋力増強が期待でき、関節への負担も少ないことから、比較的安全に行えます。専用の器具を必要としないため、初心者でも始めやすいのが特徴です。 一般的な自重(自分の重さを利用した)トレーニングの場合、筋肉がその負荷に慣れると回数を増やさなければ、効果を実感できなくなってしまいます。つまり、やりこむほど時間がかかり、モチベーションが保ちにくくなるのです。 一方でゆっくり休みなく行うスロートレーニングは、筋肉の血流を制限するため、ダンベルを利用するのと同じ高負荷トレーニングと同等の効果が期待できます。それにより、時間をかけずに効率よくトレーニングが行えます。

血流が制限されることで成長ホルモンが分泌

 

筋肉に低い負荷をかけながら血流を制限し、筋肉の酸素や代謝環境が悪い状態を作ると、疲労物質である乳酸が大量に産生されます。乳酸が筋肉内に溜まると、筋肉の回復を早めるため、成長ホルモンの分泌が活発に。 このとき成長ホルモン分泌量は、通常のトレーニングと比較して数百倍になるともいわれています。筋肥大や筋力増強を促進する効果があることから、スロートレーニングは効果の高いトレーニングといわれているのです。 ちなみに筋肉にバンドを巻いてトレーニングをする「加圧トレーニング」は効果が高いといわれていますが、これもスロートレーニングと同じメカニズムです。