生理痛の程度には個人差がありますが、年々生理痛がひどくなっていく方は要注意。思わぬ病気が隠れていることも少なくありません。今回は「生理痛」が起こるメカニズムと原因、見過ごせない病気の可能性について詳しく解説します。
「生理痛」が起こるメカニズム
生理は、成熟した子宮内膜が剥がれ落ちて身体の外へ排出される現象のことです。 子宮内膜は、受精卵が分裂を繰り返しながら子宮に到達し、根を下ろす組織。つまり、赤ちゃんを育てるベッドのような場所です。 子宮内膜が子宮の壁から剥がれ落ちると、子宮の中では次の妊娠に向けて新たな子宮内膜が増殖・成熟していきます。 そして、妊娠しなかった場合は剥がれ落ちて生理となり、そしてまた新しい子宮内膜ができあがる。 閉経前の女性はこのようなサイクルを、約1か月ごとに繰り返します。
子宮の壁から剥がれ落ちた子宮内膜は、子宮口から膣を通って身体の外に排出されますが、スルッと簡単に飛び出すわけではありません。 子宮の壁は筋肉でできており、その筋肉が収縮を繰り返すことで、剥がれ落ちた子宮内膜を押し出すのです。 このとき、子宮の収縮を引き起こすために産生されるのが「プロスタグランジン」と呼ばれる物質です。 子宮の筋肉の収縮を促すだけでなく、炎症や痛みを引き起こす作用もあるため、生理が始まるとお腹や腰が痛くなると考えられているのです。