犬や猫の引っ搔き傷から感染する病気
犬や猫から人間にうつる病気は25種類ほどあるとされており、ペットの飼育率が増加しているいま、発症者も増えています。 多くは引っ搔かれたり噛まれたりすることによって発症しますが、特に注意したいのが「パスツレラ感染症」です。 あまり聞きなれない感染症かも知れませんが、実は犬の75%、猫の95%はパスツレラ菌を持っているとされています。 犬や猫が持っているパスツレラ菌は、口や鼻の中から人の体内に入り込んでも、問題となることはほとんどありません。 しかしパスツレラ菌が付着した爪で引っかかれたり、噛まれたりすると、約30分~数時間後に激痛を伴う腫れや発熱を引き起こすことがあるのです。
また、パスツレラ感染症のように、急激に強い症状が現れるものばかりではありません。 「猫引っ掻き病」の原因となるバルトネラ菌は、猫の赤血球の中にあり、猫ノミの糞を介して猫同士に移ります。 猫から人へは猫にひっかかれたり、噛まれたりすることで感染しますが、人以外の動物にはほとんど症状が出ません。 感染した数日後、患部に虫刺されのようポツポツとした皮疹、頭痛や発熱が現れ、さらに数週間後に患部の近くのリンパ節が大きく腫れあがって痛みを引き起こします。 しかし猫の場合はこれといって目立った症状は出ず、食欲不振や発熱が見られることがありますが一過性のものですので飼い主も気づかないことがほとんどです。 なお「猫引っ搔き病」の原因となるバルトネラ菌は、犬にも感染します。犬に引っ搔かれた場合でも、発症する可能性があることを覚えておきましょう。