やらなきゃいけないことはいっぱいあるのに、何もする気になれず、ソファでゴロゴロ。 その結果、「自分は何てダメなんだろう」と感じて、もっと気分が沈んでしまう…こんな経験、誰しもあるのではないでしょうか? 認知行動療法では、このような気分と行動の関係に着目し、そのパターンを変えていくことも重要です。 実際にはどのように進めるといいのか、臨床心理士の中島美鈴先生に教えていただきました。
「パターン崩し」で価値観を変えていく
「行動目標が高すぎたり、やることの量が多すぎると、それに圧倒されて身動きがとれなくなります。
たとえば、〝夕食のおかずは2、3品必要〟と考えている女性の場合。
親世代は当たり前のようにやっていた行動かもしれませんが、働くママにとっては、はっきりいって負担です。
だったら、おかずを1品に減らしてみる。あるいは、2、3品のおかずのうち1つを冷凍食品にしたり、スーパーで買ったお惣菜にする。
そうやって、自分が当然のこととしてやっている行動パターンを、あえて崩してみるんです。
そうするといつもの行動でなくてもいいんだということが、現実にわかってきます」(中島先生)
これが、中島先生が勧める「パターン崩し」の考えかたです。 〝おかずが2、3品ないといけない〟というのは、旧世代の親から引き継がれた行動、価値観ですが、現実にそぐわないことを、いつまでもやる必要はありません。 現実には、おかず1、2品であっても、冷凍食品であっても、家族が喜んでご飯を食べればそれでいい。 実行に移して、何の問題もないとわかれば、無理のない行動パターンを続けていけばいいのです。