女性ホルモン分泌のピークは35歳前後といわれ、そこから徐々に低下していきます。 若いときには無縁だった、たるみやシワが目立ちはじめ、髪のパサつきやコシのなさなどに悩まされるのも、女性ホルモンが一因といわれています。 世の中にアンチエイジング化粧品は数あれど、それだけで改善するのは不可能。見た目の若さを保つには、むしろ内側からのケアが大事です。 根本的な対策としては「女性ホルモンの分泌量を少しでも多く保つこと」。女性外来で数多くの患者を診察している、女性泌尿器科医の関口先生に教えていただきました。
<取材協力>関口由紀先生
女性泌尿器科専門医、女性医療クリニックLUNAグループ理事長。横浜市立大学医学部泌尿器科客員教授。世界標準の女性医療をめざし、女性医療クリニックLUNAグループを展開。女性泌尿器科、女性内科、婦人科、乳腺外科、美容皮膚科と、幅広い診療科を設けている。女性の性機能、性の悩みも専門とし、FSD(女性性機能障害)外来も開設。
「年をとっても若々しい人」の秘密
「一般に閉経前の女性って、女性ホルモンのエストラジオールの量が100pg/mL以上あるんです。
でも35歳くらいを境にだんだん減り始め、50歳以降でガクッと低下。閉経後には通常、20~30pg/mL以下まで減少してしまいます。
〝測定不能〟扱いとなる10pg/mLになる女性もめずらしくありません」と関口先生。
そして「歳をとっても20~30pg/mL以上を保つ女性」と「測定不能範囲まで低下した女性」では、心身の健康度合いも、見た目の若さもまるで違ってくるのだそう。
「その違いは遺伝で決まっていることがわかってきています。
ホルモン補充療法などの治療をいっさい受けなくても、大豆などを食べているだけで20~30pg/mLを維持できる人もいます。
一方で、何らかの治療をしないと、エストラジオール値がどんどん減少してしまう人もいるんです。
いつまでも見た目に若々しくはつらつとした女性は、65歳以上になっても20~30pg/mL以上を維持しているといわれています。
このような女性は性生活も保たれやすく、外陰部の見た目もとてもきれいなんです」
自分の数値はいくつくらいなのでしょう? 気になる人は、一度女性外来や婦人科で測定してもらいましょう。 女性ホルモンにかかわるつらい症状、月経不順などがあれば、保険適応で検査してもらうことができます。