出産直後の女性は、心身共に赤ちゃんと同じくらいデリケートなもの。みなさんは産後、自分の体に何か特別なケアをしましたか? 海外では「産後ケアセンター」などという施設で、女性の心と体のサポートやケアを行っている国もあります。「うらやましい…」なんて思っていたら…日本でもようやく、本格的な「産後ケア」が始まる兆しです!
ようやく動き出した日本の「産後ケア事業」
妊娠・出産は女性の心と体に大きな変化をもたらします。お腹が大きくなるという見た目の変化はもちろん、ホルモンバランスなど目に見えないところも大きく変わります。
それら妊娠中におきた変化は出産を終えると同時に元に戻り始め、おおよそ6~8週間をかけて元通りに。その期間は「産じょく期」と呼ばれています。
産じょく期の女性の体はとてもデリケートで、さまざまな異常が生じやすくなっています。できればゆったりと体を休め、心身の回復を図る必要がある…それが「産後ケア」の基本的な考え方です。
日本では、そうした「産後ケア」の必要性がなかなか広く一般化せず、一部の自治体や病院、団体などによる自主的な実施にとどまっていました。ところがこのほど、ようやく本格化に向け動き出したのです。
産後の母親への心のケアや、育児相談などにきめ細かく取り組む「産後ケア事業」の実施を、市町村の努力義務とすることとした「改正母子保健法」が、2019年11月29日の参議院本会議で採決され、全会一致で可決・成立。2021年4月から施行されることとなりました。
つまり「産後の女性の体は特別なケアをすべき」ということが、法律で定められたということです。