「共感的理解」が生む心理的効果

 

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まずひと口に「今日は仕事で疲れた」といっても、「疲れた」には肉体的疲労や精神的疲労など、さまざまな原因が含まれます。 相手がどんなふうに疲れたか、相手の立場に立って考えるためには「どんな疲れなのか」を知らなければなりません。 それを知ろうとすると、おのずと「どう疲れたの?」「何があったの?」という質問が出てきます。

 

今度は相手が「いや今日はトラブル続きでさ…」と言ったとしましょう。でも、この言葉だけでは実はなにもわかりません。 相手が原因のトラブルなのか、周りのトラブルに巻き込まれたのか、そこは問題でなく続いたことに疲れたのか…いろいろ考えられます。 それを確かめるためには、「どんなトラブル?」「どうなったの?」という質問が出てくると思います。

 

つまり<相手の立場に立って考える>ことを意識すると、相手の立場に立つためには「情報」が不足していることに気づきます。 そのため「あなたのことを教えて」という質問が次々に生まれてきます。 すると相手は「自分の話を理解しようとしてくれている」という感覚になり、次第に会話が増えていく…というメカニズムです。