「ゆっくりしてね」を真に受ける(葉子さん/56歳/介護)
息子が結婚して早3年。毎年お正月は嫁と一緒に帰省してくるのですが…まぁ現代っ子と言うかなんというか。毎年「ゆっくりしてね」と言って迎えるのですが、彼女は本当に〝ゆっくり〟し始めるんです。 大晦日、おせちを作り終えた頃に到着し、息子と二人こたつに座ると、もうそこから動きません。2歳の孫は、子ども好きの主人と息子に任せっきり。それが親孝行だと思っているのか、「じいじにオムツ替えてもらってよかったね~!」と、またビールをごくり。 大きめバストをこたつに乗せて「ありがとうございます! やっぱ、お義父さんの教育もあって○○さんもイクメンなんですね!」と、男性陣を持ち上げるのが妙にうまいんです。息子も主人も、ついでにもう一人の独身息子までデレデレ。 あるとき息子に「母さんもこたつでゆっくりしたら?」と言われましたが、「嫁が動かないから仕方ないでしょ!」と、喉まで出た言葉を飲み込みました。「手伝って!」と言う勇気があれば…今年こそと思いながら、今年もきっと言えない気がします。