お酒を飲む機会が多くなる年末年始。しかし飲んだ後に、みぞおちのあたりが強く痛むような症状が見られるときは「急性膵炎」の恐れがあり、注意が必要です。激し痛みとともに、ときには呼吸困難や意識消失まで引き起こすこの病気、詳しく解説します。
■急性膵炎ってどんな病気?
「膵臓」は、みぞおちのあたりにある小さな長細い形の臓器。この膵臓に急激な炎症が生じる病気が「急性膵炎」です。 膵臓は、小さいながらも私たちの身体を維持するための重要な働きを担っています。 主な働きは、食べ物の消化に必要な消化酵素の産生と、血糖値を調節するインスリンなどのホルモン分泌です。 分泌される消化酵素は、炭水化物を分解するアミラーゼ、脂肪を分解するリパーゼ、タンパク質を分解するトリプシンなど様々。 これらの消化酵素は「膵液」の中に含まれており、この膵液は膵臓を横切るように走る「膵管」の中を流れています。 何らかの原因で膵管が詰まったり、膵液が過剰に分泌されると、膵液が漏れ出します。 すると、膵臓自体や膵臓周囲の組織を「消化・分解」してしまい、非常に強い炎症が引き起こされるのです。