日本では、男女の区別なく育児休業を取得できると定められています。 ただ、厚生労働省の2018年度雇用均等基本調査によると、男性の育休取得率は6.16%で、うち5日未満が36.3%。2週間未満の取得が7割を超えています。
そんな中、長期の育休を取得する男性も出てきています。 今回インタビューしたのは、いずれも第2子出産後に夫婦で同時に育休を半年以上取得した2組です。2018年度の調査で、半年以上の育休を取得した男性は取得者のうち4%。非常に珍しいのが現状です。 取得してみて実際どう?を具体的に聞いてみました!
お話を聞いたご夫婦
小森一将さん・まりえさん夫婦
千葉県在住。3歳長女と0歳長男の子育て中。一将さんは大手鉄道会社勤務で、長男誕生後、2019年4月から7か月間の育休を取得。
古谷野謙太さん・こえりさん夫婦
東京都在住。3歳の長女と0歳の長男の子育て中。謙太さんは大手金融機関勤務で、長男誕生後、2019年3月から1年間の育休を取得。
「お前がいなくても会社は動く」
──男性が長期で育休を取得するというのはかなりの少数派です。まずは、取得のきっかけを教えてください。
小森一将さん
僕は第1子の時も子どもが7か月のころに1か月育休を取得したのですが、生活に慣れてきたところで終わってしまい、もう少し長く取らないと意味がないなと思いました。それで、「第2子ができたら長く休みます」とは会社でも言っていたんです。 なので、出産予定日が分かった時点で、妻には相談せずに上司に「育休を1年くらい取ります」と言いました。その後妻と話し合い、6か月を超えると育児休業給付金が少なくなることもあり、7か月の取得に落ち着きました。
──一将さんの方から主体的に動いたんですね!上司の反応はどうでしたか?
一将さん
長期で育休を取得する人はいなかったので、「前例ないぞ」と言われました。でも、「制度はありますよね」「会社は断れないですよね」と。 育休を取得することでキャリアに響くようなら辞めてしまおうと思っていました。
──強い…!周りの若手にとっても心強そうです。
一将さん
みんな長めの育休を取りたいけど取れない、という状態だと思うんです。だから、やりたいならやればいいじゃん、と後輩には言っています。「お前がいなくても会社は動くから」と。 中小企業だと難しい部分はあるかもしれないけど、うちの会社は穴を埋めることはできますから。でもなかなか、周りを気にしているのかみんな休まないですね。