中耳炎の3つの種類
中耳炎といえば、「高熱を出して耳を痛がる」というイメージが一般的ではないでしょうか。このような急激で強い症状は「急性中耳炎」です。 中耳炎はほかにも「滲出性中耳炎」や「慢性中耳炎」と呼ばれるものがあり、それぞれ症状などは大きく異なります。
<急性中耳炎>
主に風邪をひいた後に発症することが多く、病原体が中耳内に侵入することが原因となります。
38度以上の高熱、強い耳の痛み、耳垂れなどの症状を引き起こしますが、適切な治療を行えば10日ほどで治ります。
また、発症を繰り返すことも多いため、風邪をひいたときは要注意です。
<滲出性中耳炎>
急性中耳炎が治りきらないまま治療を中断したりすることによって、中耳内に慢性的な炎症が続く病気です。高熱や痛みなどの症状はありませんが、中耳内に水が溜まって鼓膜の動きが低下。結果、聴力の異常を引き起こします。
ひどくなると鼓膜を切開して、中に溜まった水を取り除く治療が必要になります。
<慢性中耳炎>
滲出性中耳炎がさらに進行したものです。
鼓膜に穴が開いて聴力が低下したり、耳垂れを繰り返すだけでなく、めまいなど平衡感覚の異常が生じることも。
さらに放置すると「真珠腫」と呼ばれる塊が形成され、周囲の骨を壊しながら大きくなっていきます。
近くを走行する顔面神経にダメージを与えたり、髄膜炎を引き起こすことも報告されています。
子どもの中耳炎で特に注意したいのが、この滲出性中耳炎と慢性中耳炎です。 発熱などの目立った症状はないものの、聴力の低下を引き起こし、言葉の発達が遅れたりぼーっとしやすくなるため、学業に支障がでることも少なくありません。 発症を防ぐには、急性中耳炎になったときにできるだけ早く病院で検査・治療を受け、医師から完治を告げられるまで治療を続けることが大切です。