子どもの声が急に大きくなったり、相手の話を聞き返すことが多くなった…そんなときは要注意! 慢性的な中耳炎によって聴力が低下している可能性があります。子どもにはよくある病気ですが、適切な治療をしないと聴力に異常をきたし、言葉の発達にまで影響を及ぼすことも。注意すべき「子どもの中耳炎」を解説します。

 

 

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中耳炎ってどんな病気?


中耳炎はその名の通り、耳の中の「中耳」と呼ばれる部位に炎症が起こる病気です。 鼓膜の奥に広がる空間のことで、鼓膜に伝わった音の振動を神経まで伝える重要な働きを担う部位。 鼻やのどと「耳管」と呼ばれる細い管でつながっていて、通常であれば無菌状態です。 大人の場合のどや鼻〜中耳には高低差があり、耳管には角度がついています。また耳管自体も長いため、病原体が侵入しにくくなっています。 しかし子どもの場合は、のどや鼻〜中耳がほぼ水平で耳管も短いため、病原体が簡単に侵入しやすく、中耳炎を発症しやすいのです。 このため風邪をひくと、のどや鼻の細菌、ウイルスなどの病原体が耳管を通って中耳に入り込み、炎症を引き起こすことがあるのです。