—— シンプルに生活するコツなども著書で紹介されていますよね
小川さん
モノがある方が落ち着くという人はそうすればいいと思います。どういう状態を自分が心地よいと思うのか、快適に過ごせるのかを考えればいいかなって。
例えば食器であれば使える限度を超えたら、もうそれは持っていなくてもいい。私はコレクターではなく使って楽しみたいから、使わないものは誰かにもらってもらう。モノが溢れないようにしています。
—— そういう考え方になったきっかけはありますか?
小川さん
10年くらい前にモンゴルに行ったときに、ゲルの暮らしを経験しました。1つのものをいろいろと活用しているんですよね。例えばフライパンでお湯を沸かしたり、炒めたり、温めたりという工夫をします。その生活から学んだことは大きかったですね。
—— 本作の冒頭に「幸せ」というキーワードが出て来ます。小川さんが幸せを感じる瞬間はどんなときですか?
小川さん
犬と散歩しているときや、一緒に寝ているときです。作中に出てくる犬の六花は私の犬・ゆりねがモデルなんです。
セラピー犬とかになって、誰かの役に立てたらいいな、なんて考えていたのですが、食いしん坊なので、そういうことには向いていないようなんです。なので、本の中でモデルになることで、人を癒したりできたらいいなって(笑)
—— 瀬戸内を舞台にした理由を教えてください。
小川さん
海と死は近しいというイメージがありました。生まれてくるときは満潮のときに、亡くなるときには引き潮と共に海にさって行くとかって言いますよね。「ライオンの家」は決して人に恐怖を与えない、守られていると感じるような海のそばがいいと思いました。そういう海をみて過ごせたら、穏やかな日々が過ごせるんじゃないかなって。