男性の「産後うつ」その原因は?
国立成育医療センターの調査によれば、赤ちゃんが生まれてから3か月の間にうつ症状が見られた男性は16.7%にのぼり、女性の発症率とほぼ同じという結果が出ました。 では、男性にうつ症状が見られやすくなる原因には、どのようなことが考えられるのでしょうか?
●育児と仕事の両立の難しさ
共働き家庭でも産後すぐの頃は、ママが産休・育休を取得しているケースが多数。30%のパパが育休を取りたいと思いつつも、実際の取得率はわずか5%というのが現実です
(平成29年度雇用機会均等基本調査より)。パパが育児に積極的に参加できる体制は、まだまだ整えられていないのが現状でしょう。仕事・育児・家庭の両立に悩みを抱えた結果、うつ症状が現れるケースも少なくないのです。
●ホルモン変化の可能性
産後の女性には、急激なホルモンバランスの変化が訪れます。しかし近年の研究では、妊娠・出産を経ていないにも関わらず、パパにもホルモン分泌に変化が生じるとの報告が多数あります。
なかでも、男性らしさを司るホルモン「テストステロン」の量が低下する可能性が指摘されています。赤ちゃんに対する攻撃性を、テストステロンの減少により低下させるとされています。
しかしその反面、意欲の低下やダルさなどを引き起こし、うつ症状の原因にもなってしまうのです。
●心身の疲れ
産後はママだけでなく、パパも心身の疲れが溜まるもの。もちろん赤ちゃんにつきっきりのママの疲れと比べることはできませんが、夜泣きなどで睡眠不足になりつつ仕事する疲れも、また相当なもの。
また育児を巡る夫婦間のトラブルなども、大きな負担となります。こうした日々の疲れの積み重ねが、うつ症状を引き起こすことも考えられます。