「やめてよ！ スカートめくらないで!!」と、教室に響き渡る女子の叫び声。そんな男の子の〝セクハラ的ないたずら〟は、少し前の時代では寛容に捉えられていました。しかし時代もモラル感も変わったいまでは、大きなトラブルに発展することも。男の子の親はどう対処したらいいのでしょうか？
スカートめくりやボディタッチ…いたずらへの対応は？
「自分だけが嬉しい」のはダメ（愛さん/38歳/会社員）
小1の息子と、1歳の娘がいます。妹が大好きで世話好きな息子は、よくギュッと抱きついているのですが、クラスの女の子にも同じような距離感で接してしまうんです。保育園のときはそれでもまだ許されたのですが、小学生になるとそうはいきません。
でも本当に悪気がないので、どうやって注意すればいいか迷いました。そこで「自分だけ嬉しいのはダメ」ということを、繰り返し言い聞かせました。「誰かにベタベタしてあなたがすごく嬉しかったとしても、相手が困った顔をしたり泣き顔になったら、それはダメなことだよ」と繰り返し伝えました。
しかし、息子はいまいちピンと来ないよう。そこで「たとえばサッカーをしていて、誰かが得点したときに抱きついたり肩を組んだりするのはOK。それはみんなが嬉しいことだから」などと、具体的な場面を例にして伝えました。
「女の子に抱きついちゃダメ」と言うのではなく「相手が男の子であれ、ダメなときはダメ」と教えたので、混乱することなく息子は納得していましたよ！
「昔とは違う」と親も目が覚めた（和子さん/45歳/専業主婦）
「うちの娘が、スカートをめくられてすごく嫌な思いをしています」。小2になる息子と同じクラスのママから、LINEが突然来て驚きました。なんでも女の子は「もう学校に行きたくない」と言っているほど悩んでいるとか。
私自身「スカートめくりなんて、男子みんなやるもの！ 小学校あるあるでしょ」くらいの軽い気持ちでいたので、まさか直接クレームが来るなんて思ってもみなかったんです。「時代が違うんだ」と、私も目が覚め、息子にも早いうちから教えておかなければいけないと思いました。
息子には「あなたはふざけているつもりでも、相手が嫌がっていたら、セクハラなんだよ」と、伝えました。そして、学校にも相談して「スカートめくりや、相手が嫌がることはやめましょう」と、先生からも注意してもらうように働きかけたんです。
「先生まで巻き込むのは、やりすぎ？」と思われるかもしれませんが、男子は総じて精神年齢が低いので「学校のルール」として、きちんと定まっていたほうがいいと思ったんです。いまのところ、平和が保たれていますよ。
「かまって欲しい」のサイン？（さゆりさん/43歳/会社員）
小3になった息子が、女の子の首や腕、ときにはお尻を触ったりするようになったんです。「ついに異性への興味が出始めたのかな」と思いましたが、よその男の子のママに相談しても「うちは、そこまではしないわ…」と言われてアセりました。
そこで夫に相談したら「女の子への興味もあると思うけど、かまって欲しいというのもあるかもしれないね。俺も最近出張ばかりだし、お前も仕事で遅くなると、1人で留守番させることも増えてるだろ」と言うんです。
確かに、最近の私の口癖は「もう3年生だからなんでもできるもんね！」でした。お風呂に入るのも、食べるのも、寝るのも。1人でできるようになったので、完全に大人扱いしていたんです。でもまだたったの9歳…心細い気持ちがあったのでしょう。
私は仕事のやり方を改めて考え直しました。なるべく早く帰宅し、息子の話を聞いてあげる時間をとるようにしています。すると、息子の行動が徐々に収まってきたらしいのです。完全に落ち着くまでは3か月ほどかかりましたが、家族の在り方を見直すいい機会だったと思っています。
相手が嫌がることをしない、と根気よく伝えて
親愛の表現であったり、気になるからこそちょっかいを出してみたり。子どもにも理由はあれど「相手が嫌がることはしない」という人間関係の基本を、しっかり教える必要がありますね。
ライター：佐藤まゆみ
マスコミ系の会社に勤務。保育園の年長を筆頭に３人の子育てに奮闘するママ。外面はサバサバ＆ハキハキだけど、内面は「モヤモヤの宝庫」！〝宝”の持ち腐れにならないよう、惜しみなく発信してきたいと思います！
