ピークは6秒!とっさの怒りのコントロール術7つ

どんなに激しい怒りも、そのピークは長くて6秒程度とされます。ここを上手にやり過ごせば、怒りにまかせた言動で悔やむこともなくなりそう。“耐える”のではなく、いったん気持ちを落ち着かせるための心理トレーニング。ぜひお試しを♪(2016年8月号より)

 

1 心の中で「ストップ!」と唱えて感情をリセットする

怒りがわいたとき、心の声で「ストップ」と唱えるか、頭に白紙を思い浮かべます。気持ちが落ち着き、次にどうしたらいいか冷静に考えられます。

 

2 「私ってエライ!」などと元気づける自分を励ます言葉を唱える

特定のフレーズを言い聞かせて自分を元気づけます。「成長できるチャンス」「私ってエライ!」「明けない夜はない」など、自分にとっていちばん効果のある言葉を決めておきます。

 

3 外へ出たり、お手洗いへ行くなどその場から離れる

怒りの対象と同じ空間にいて、感情がおさえられなくなったなら、いったんその場を離れましょう。相手に黙っていくのではなく「ちょっとお手洗い」「のどが渇いた」などの理由を作って。気持ちが落ち着いたら、必ず戻って仕切り直しを。立ち去ったままでは、相手の不信感を高めてしまいます。

 

4 大人は引き算をしよう数を数える

ブチッときた瞬間に、頭の中に大きな数字を思い浮かべて「100、97、94、91…」のように、3ずつ引いていきます(子どもには1から6までを数えるように教えてOK)。数えることに集中するうち、衝動的な怒りを忘れて冷静に。いつも同じ数え方だとやがて慣れてしまうので、引く数はときどき変えるようにしてみて。

 

5 4秒吸って8秒吐いて深呼吸をする

ゆっくり腹式呼吸すれば副交感神経の働きが高まってリラックス。スーッと怒りが抜けます。4秒かけて息を吸い、いったん止めて、8秒かけて吐くことを2~3回繰り返して。

 

6 目の前にあるものをしっかり視察“今”に意識を集中!

過去のイヤなこと、長く続いている怒りが浮かんできたら目の前にある好きなモノを手に取って形や素材などをじっくり観察。“今”に意識が向かい、気持ちがリセットできます。

 

7 今の怒りは10点中〇点! 怒りを数値化する

絶対に許せないほどの強烈な怒りを10点とすれば、今の怒りは何点くらい? 感情の程度を数値化することに意識を向けると衝動的な言動がおさえられ、自分がどんなことに怒りを感じるか客観的に把握できます。

 

怒りの原因って何だろう?

怒りを感じる対象は、家族や仕事関係者、見知らぬ他人だったり、身近な出来事や物だったり。でも、同じことにもムカッとくる人と、まるきり怒りを感じない人がいるのはどうして?

 

怒りの原因はその人の「ゆずれない価値観」=「べき」

怒りは、自分の期待や理想が裏切られたとき、思うとおりにならなかったときに生まれる感情。底にあるのは「普通は○○であるべきでしょう?」という価値観や信条。人は自分の「べき」とまったく違うものを前にすると、「こんなのおかしい!」と怒りを感じます。

 

許容ゾーンを広げるとイライラが減る!

「べき」の内容と程度は人それぞれ。自分にとって「常識」「あたりまえ」でも、誰にでも通用するものではないのです。違う「べき」がぶつかりあっても、相手には裏切っている気はいっさいないのがやっかいなところ。たとえば集合時間の10分前に行くのが当然と思う人と、定時に行けばいいと考える人では大きな隔たりが。 もちろん大切な信条を捨てる必要はありません。相手の「べき」を理解したうえで許容ゾーンを広げ、自分の思う「べき」も具体的に伝えることで、互いの思いのズレが減って、ムダに怒ることもなくなります。