育休は自分と向き合うチャンス

仕事とも関係のない仲間がいるというのは、自分を見直すきっかけになりそうですね。

 

仕事をしていて、「○○という会社の○○部の○○さん」という肩書きの中だと、素の自分がやりたいことが見えなくなることってありますよね。育休はそこから自由になって、自分としっかりと向き合うチャンスでもあると思います。

 

みなさんが設定するテーマは、キャリアに関することが多いのでしょうか?

 

よく聞かれるのですが、キャリアに関することじゃなくてもいいんです。「子どもと思いっきり向き合う」でももちろんいい。仕事に関連するテーマの方もいますが、それぞれの違いを認め合って活動しています。

 

オンラインで会話する「MIRAIS」のメンバー
オンライン会議システムを使って交流するメンバーたち。オンラインでの活動もさかんで、どこからでも参加できる

 

具体的には、どのような活動になるのでしょうか?

 

それぞれがテーマに沿って日々を過ごし、その振り返りをオンラインで月に1度行います。

 

「今月はどうだったかな」と考える機会になるし、参加者同士が発表し合うことで「頑張ろう」と思える。周りの育休の過ごし方も刺激になります。

 

また、コミュニティの運営に携わったり、写真部や語学部などの部活動を行ったり、イベントを企画したりと、メンバーの発案でいろいろな活動が行われています。これまでに、「転職者の話を聞く会」「ヨガ」「読書会」などがオンラインで、「眉毛メイクレッスン」「フィンランドの子育てを聞く会」などがオフラインで行われました。

 

楽しそうな企画が多いですね!

 

MIRAISでは「練習の場を提供する」ということも重視していて、挑戦と失敗を受け入れる環境になっています。

 

例えば、「リーダーをやってみたい」と思っている人がいたとして、仕事だと結果を求められるのでなかなか気軽にはできないですよね。自分の得意なことで講座を開こうと思っても、個人でやるのはとても大変。でも、MIRAISでは失敗しても全く問題ないので、どんどん挑戦できますし、周りも面白がってくれる。

 

本当にいろんなアイデアが出てきていて、プラットフォームがあるだけでこれだけのものができるのか、と驚いています。

 

育休中だからこそ挑戦できることもあるのかもしれないですね。

今後の目標などはありますか?

 

まだまだ育休中を有意義に過ごそうという意識は広まっていないと思います。「なんとなく育休」をなくし、人生を豊かにできるような、未来につながるような過ごし方がもっと当たり前になるように動いていきたいです。

 

 

育休という期間が、新たな自分と出会う時間になる可能性もあるんですね。 コミュニティの中でも、それぞれが違いを認め合って活動しているというのが印象的でした。

 

次回の「育休をハッピーに過ごすには?コミュニティ活動するお母さんたちに聞いてみた!」では、「MIRAIS」に実際参加している方々に、育休の過ごし方のコツを話してもらいました。

 

少し意識を変えるだけで、育休の過ごし方が変わるかもしれません。ぜひ参考にしてください!

  

Profile

栗林真由美さん

MIRAIS代表の栗林真由美さん
富士通クラウドテクノロジーズ株式会社勤務。2014年に第一子を出産し、育休中に「育休プチMBA勉強会」の立ち上げなどに関わり、講演活動も行う。15年に職場復帰後、社内では時短勤務の社員として初めて昇格。18年に第二子を出産、育休中に「MIRAIS」を立ち上げる。19年4月に復職。

 

取材・文・写真/小西和香