STEP2.「おもしろい!」と思ったところ・注目したところを書き出そう

本の中で「おもしろい!」と思ったり、興味を持ったところを書きます。課題図書であれば、子どもは2〜3個くらいはおもしろいところを出してくるはず。ただ、中には、ただ単に普段聞きなれない言葉や、これまで見たことがなかったというものを響きや見た目がおもしろいだけで出してくることもあります。そういう場合は親が選んでもいいでしょう。

 

読書感想文全体のおもしろさを決めるポイントが、このSTEP2と次にご紹介するSTEP3になります。

 

では、桃太郎の例をご紹介します。

 

〈例〉 桃太郎が仲間たちと力を合わせて戦ったこと

 

もしかしたら「鬼が負けるなんてウケる〜」というところからスタートするかもしれません。そういう時は、親御さんが「どうして鬼は負けちゃったのかな?」という風に子どもの「ウケる」をきっかけに話を進めてみてください。そこから、「鬼は油断していた」とか「鬼も桃太郎も両方強いけど、桃太郎には動物たち仲間がいたから何倍の力にもなった」という話になったりする。子どもの「ウケる〜」というところから違う次元の話に進めていってあげるとおもしろくなります。

 

子どもがなんでウケているのか、本当にウケているポイントはどこなのか。そこを親御さんに引き出してもらって、導いていくことができればすごく楽しい“遊び”になると思います。

 

STEP3.おもしろいと思った箇所(STEP2)のテーマを書こう

ここでいう「テーマ」とは、本のテーマではなく、あくまで読書感想文のテーマです。STEP2であげた、子ども自身がおもしろいと思ったテーマを書きましょう。

 

では、桃太郎の例をご紹介します。

 

〈例〉 仲間がいることの素晴らしさ

 

やってはいけないのが、あまり考えずに短絡的に書いてしまうこと。「もうひとつの屋久島から 世界遺産の森が伝えたいこと」であれば「屋久島」とか、「かみさまにあいたい」という本なら「かみさま」と書いてしまう子がいますが、宿題をさっさと片付けようとしちゃう子がやりがちです。

 

かといって、文章量の多い本になればなるほど、全体を読んでしっかり理解してテーマを選ぶというのは難しくなるもの。

 

「そんな時は目次を見て、第3章がおもしろうそうだと思ったら、まずは第3章に注目してしっかり読んで、その後に全体を読んでみるという方法でもいい」と大竹さん。他にも、裏技的な方法ですが、絵本を選ぶなら絵から読み取ったテーマにしてもいいとのこと。例えば「心ってどこにあるのでしょう?」という本には犬が尻尾を振っている絵が出てきますが、「どうして尻尾に心があるといっているのか」というのをテーマにしてもいいのです。

 

「全体を読んでちゃんと理解して、この本が伝えたいところを読み取らないと!」という気持ちはひとまず捨てて、子どもがおもしろいと思ったところに潜んでいるテーマにすると、ハードルは下がるし、かえっておもしろい作品になります」