前回の「

読書感想文を子供がすらすら書くコツは「面白さの具体化」

」では、読書感想文をイベントにして楽しむという話をお伝えしました。しかし、いざ原稿用紙に書こうとしても、文章を構成するのは難しいものです。

 

そこで、大竹さんおすすめの6つのステップをご紹介します。この方法で、きっと読書感想文がスラスラ書けるようになりますよ。

 

読書感想文がすらすら書ける「6つのステップ」


まずは事前準備、できていますか?

読書感想文を書く前には、事前準備が必要です。前回の記事でもお伝えしたように“親も一緒に”本を読み、本に関連する体験をして、それについて話し合う、といった下準備をしましょう。その上で、これからご紹介する6つのステップを踏んで読書感想文を完成させていきます。それぞれに対して、子どもが自分の言葉で答えることが重要です。 ここでは「桃太郎」を例にご紹介します。

 

STEP1.あらすじを書こう

その本にはどんなことが書いてあったのか、あらすじを簡単に書いてみましょう。「あらすじ」とは、その本を読んだことがない人にも、どんな内容の本なのかだいたいわかるように伝えるもの。

 

しかし、あらすじを書くためには、物語のポイントをピックアップして整理するという、結構上級な国語力が求められるため、書けない〜(泣)という子も少なくありません。なので、「書けるようなら書く。難しければ省いてもいいし、ある程度親が書いた例を渡して、それに子どもが手を加える方法でも構いません」と大竹さん。

 

ここでは、きちんと書く場合のポイントを、「桃太郎」を例にご紹介します。

 

〈例1〉 むかしむかし、あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいた。おじいさんは山に芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行った。


おばあさんが川で洗濯をしていると、川の向こうから大きな桃が流れてきた。おばあさんはそれを家に持ち帰った。おじいさんとおばあさんがその桃を食べようと切ってみると中から元気な男の子が出てきた。おじいさんとおばあさんは大喜びして、その子を「桃太郎」と名付けた。桃太郎はすくすく育ち、強い男の子になった。


ある日、桃太郎は村から宝物を盗む悪い鬼が住んでいる鬼ヶ島に、鬼退治に出かけた。旅の途中で、犬、猿、キジに出会い、おばあさんが作ってくれたきび団子をあげると仲間に加わった。


鬼ヶ島に着くと、桃太郎と仲間たちは鬼に襲いかかった。ついに鬼は降参し、宝物を全部返すから許してくれといった。桃太郎たちは許してあげた。


桃太郎たちが宝物を持って村に帰ると、おじいさんとおばあさんも、村の人たちも大喜びした。


〈例2〉  桃から生まれた桃太郎は、鬼退治をして宝物を返してもらった。


〈例3〉 桃から生まれた桃太郎は、村から宝物を盗む悪い鬼が住んでいる鬼ヶ島に、鬼退治に出かけた。旅の途中で犬、猿、キジに出会い、きび団子をあげると仲間に加わった。


鬼ヶ島に着くと、桃太郎と動物たちは鬼と戦い、ついに鬼をやっつけた。鬼は降参し、もう悪いことはしないと約束して宝物を返した。


桃太郎たちが宝物を持って村に帰ると、村の人たちは大喜びした。

 

さて、〈例1〜3〉のうち、どれがいいと思いますか?注目するところは、シーンが変わるところです。〈例2〉はあまりにも短くまとめてしまったため、シーンの変わり目がわかりません。逆に〈例1〉は長すぎて、感想文のほとんどがあらすじになりかねません。シーンの変わり目に気をつけながら、余計なところは省いて〈例3〉のように大事なところだけまとめるようにしましょう。

 

ただし、サイエンス系の本など本によってはあらすじがほとんどないようなものもあるので、そういう場合は短い文章で簡単にまとめても問題ありません。