STEP4.じっくり考えてみたいことを書こう
では、桃太郎の例をご紹介します。
〈例〉 「仲間がいることの素晴らしさ」とはなんでしょうか。
STEP5.比べてみた昔話や寓話、体験を書こう
ここには、STEP3で書いたテーマに関連する子どもの体験や、同じようなテーマの昔話などと比較した内容を書きます。これによって、読書感想文の味わいも出て、レベルも上がります。
〈例〉 「さるかに合戦」 食べ物を奪われた母ガニは、賢い猿に青くて硬い柿をぶつけられた。母の仇を取ろうと、子ガニたちは友達の栗と蜂臼、牛の糞と一緒に協力して猿を懲らしめた。
STEP6.意見や答えを書こう
STEP4で書いた問いに対する意見や答えを書きましょう。
〈例〉 自分1人では成し遂げられないことでも、仲間と協力すればその力は何倍にもなる。 何か困った時は仲間や友達に声をかけて、乗り越えられるよう立ち向かっていきたいと思う。
STEP1〜6をつなげれば、読書感想文の出来上がりです。
いかがでしたか?読書感想文を通じて親子で話し合うと、いろんな視点が出てくると思います。「子どもの意見じゃなくて親の意見じゃないの?」と思う人もいるかもしれませんね。それについて大竹さんは次のように語っています。
「考えることや視点を持つことは、人と人が関わらないと絶対に出てきません。なので、お父さんお母さんには忙しい合間をぬって、読書感想文にじっくり取り組んでいただきたいですね」
ぜひ、楽しみながら“イベント”感覚で読書感想文に取り組んでみてくださいね。
PROFILE 大竹稽(おおたけ・けい)
教育家、文筆家、思想家。株式会社禅鯤館 代表取締役、産経子供ニュース編集顧問。1970年愛知県生まれ。東京大学理科三類に入学するも、医学に疑問を感じ退学。その後、私塾を始める。現場で授かった問題を練磨するために、再び東大に入学し、そこでフランス思想を研究しながら、禅の実践を始める。てらてつ(お寺で哲学する)を開きながら、共生問題と死の問題に挑んでいる。編著書に「超訳モンテーニュ」「賢者の智慧の書」「めんどうな心がらくになる」などがある。https://kei-ohtake.com/
取材・文/田川志乃 撮影/masacova! 取材場所提供:蟠龍寺