■「私に任せて」と暴走(加奈子さん/27/パート)

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私は昔から人づき合いが苦手で、友だちと呼べる存在がいたことがありません。しかし、息子の保育園で知り合ったママ友は、そんな私にとても優しく接してくれて「親友だ」とまで言ってくれたのです。

ある日、彼女が泣きながら「○○さんにひどいことを言われた。もう耐えられない」と、訴えてきました。大好きな彼女を傷つけた人を許せないと思った私は「任せて!」と言って、暴言を吐いたというママのところへ。

「彼女を傷つけないで!」と言うと、相手は「は?」という表情をしていました。でも私は気にも留めず「次は許さないから!」と叫びました。生まれて初めて人に強い言葉を投げかけましたが、「大事な人を守った」という達成感を覚えています。

それから数回、同じようなことがあり、そのたびに私は「大事なママ友の敵」を排除しました。後ですべてがわかったのですが、彼女が言ってたことは全部嘘…私は無実のママ友に暴言をぶつけ続けていたのです。

気づいたら私は園内で孤立し、みんなの嫌われ者に…いっぽう彼女は「いい人」のまま。彼女によって園生活は滅茶苦茶にされましたが、行動したのは私。怒りをどこにぶつけていいのかが分からず、しばらく途方に暮れていました。