マルクス・コッコ報道・文化担当参事官

世界経済フォーラムが公表するジェンダーギャップ指数で常に上位にランクイン(2018年は4位)し、男女の社会的な格差が少ない北欧の国、フィンランド。 日本でも女性の活躍推進が叫ばれていますが、まだまだ課題が多いのが現状です。ジェンダーギャップ指数では149か国中110位(2018年)と低くなっています。

 

ジェンダーギャップの少ない社会って、どんな感じ?女性はどのように働いているの?

 

ツイッターでのゆるめのつぶやきが人気の駐日フィンランド大使館にお邪魔して、マルクス・コッコ報道・文化担当参事官と広報部の堀内都喜子さんにお話を聞いてきました!

  

30代女性大臣も珍しくない 教育ですべての人にチャンスを


6月、駐日フィンランド大使館のツイッターで、ことし34歳になるマリア・オヒサロ内務大臣とサンナ・マリン交通通信大臣の女性2人についての新聞記事を紹介していました。

日本の感覚からすると、かなり若い女性の大臣であること。さらに、貧困家庭や親がアルコール依存症を持つ家庭の出身ということで注目が集まり、3400件以上のリツイート、6900件以上のいいねがつきました。

https://twitter.com/FinEmbTokyo/status/1137922438128443392

 

ツイッターは広報部全体で管理しているとのことですが、このツイートをしたきっかけは何だったのでしょうか。

 

堀内さん

フィンランドでは30代女性の大臣は珍しくありませんが、貧困家庭であることや親が依存症の問題を抱えているというような背景はこれまであまりオープンに語られることがありませんでした。 すべての人に教育のチャンスがあり、恵まれない家庭の出身であっても大臣にまでなれるというのはフィンランドの素晴らしい部分です。 それをこの2人が体現していると感じたので、日本の皆さんにもぜひ、こういうことが可能なのだと知ってほしいと思いツイートしました。ここまで反応があったのにはとても驚いています。

 

コッコ参事官

この2人の話を「アメリカンドリームのようだ」と言う人もいましたが、私も極めてフィンランドらしいと思いますね。

 

フィンランド大使館に置かれた国旗

 

家庭的に難しい背景を持っている人が社会で活躍するためには、教育制度が非常に重要になるかと思います。

フィンランドの教育制度について教えてください。

 

堀内さん

大学まで授業料は一切かかりません。日本では義務教育期間中でも給食費などがかかりますがフィンランドでは無料ですし、文房具も支給されます。 高校、大学では教材費がかかりますが借りるという手段がありますし、大学では生活費や住居費の手当ても出るので仕送りの必要がありません。

 

例えばツイッターで紹介したオヒサロ内務大臣は、親がアルコール依存症だったためシェルターで暮らした経験があり、親の離婚、失業、貧困も経験しています。でも社会保障はもちろん周囲の応援にも助けられ、貧困をテーマに博士号を取得しています。本人が望んで努力すれば、博士まで取ることができるんです。