都立野山北・六道山公園の歩き方


―自然散策には虫捕り網と虫めがね持参で!―

田植え直後の水田にはたくさんの生き物が!

 

260ヘクタール、東京ドームの約56倍の面積を有する都立野山北・六道山公園。今回は丹さん案内の下、里山民家のそばに広がる、水田と里山エリアを散策しました。

 

取材に訪れたのは、6月頭の梅雨入り前。田植えが終わったばかりの田んぼには小さなドジョウやアカガエルのオタマジャクシたち、ビオトープエリアで一休みしていた黒と青の色合いがおしゃれなハラビロトンボ、草むらからひょっこり顔を出した子どものカナヘビ、甘酸っぱくてみずみずしいウグイスカズラやモミジイチゴの実……たくさんの虫や珍しい草花と出会えました。

 

アカガエルのオタマジャクシ

 

青い尻尾が特徴的なハラビロトンボ

 

甘酸っぱいウグイスカズラの実

 

次から次へと爪先ほどの小さな虫や珍しい木の実を見つけていく丹さんに、自然観察のコツを教わりました。

 

「石や木片を持ち上げてみたり、田んぼや小川の泥の中で動くものがいないか目をこらしたり……木の葉の裏側もじっくり観察してみてください。樹液がしみ出ているところや花が咲いているあたりも虫や蝶が集まるポイントです」

 

子どもは大人よりも視点が低い分、足元の茂みで動く昆虫や、葉の裏にぶら下がっているさなぎなどを上手に見つけられるそうです。

 

 

樹液に集まる蝶や虫。時にはカブトムシも……!?

 

葉の上に若いヤブキリを発見!

 

エゴノツルクビオトシブミの揺らん。巻いた葉の中に卵が産みつけられている

 

最後に見つけたのは、大きな葉の上にポツリと一つ産み付けられたジャコウアゲハの卵。漆黒の大きな羽が美しいジャコウアゲハですが、卵はなんとオレンジ色のしま模様。

 

自然の美しさとは、山や田畑などの遠景だけでなく、間近で感じる生命の息づかいの中でも観ることができると気づかされました。

 

 

ジャコウアゲハの卵は美しいオレンジ色

 

「虫捕り網や虫めがねがあれば、見つけた生き物をじっくり観察することができます。生き物を捕まえる時は優しい力加減で。都立公園では動植物の採取はできないので、捕まえた虫は観察した後は逃がしてあげてくださいね」

 

 

 

虫めがねと虫捕り網はあると便利!

 

公園によって、草花の摘み取りや捕まえた虫を持ち帰るのを禁止しているなどルールがあるため、事前にホームページなどで確認してから出かけましょう。夏場であっても木の葉で腕や足を傷つけやすいので、長袖長ズボン着用での散策がオススメです。

 

散策の後は里山民家の縁側でひと休み……

 

コマやけん玉などの昔ながらのおもちゃも!

 

■公園情報

【都立野山北・六道山公園】

住所(インフォメーションセンター):東京都武蔵村山市三ツ木4-2

TEL:042-531-23258:3017:30) アクセス: ・インフォメーションセンター/JR「箱根ヶ崎駅」または「立川駅」よりバス乗車。バス停「峰」下車後、徒歩10分 ・里山民家(里山体験エリア)/JR「箱根ヶ崎駅」または「立川駅」よりバス乗車。バス停「岸」より徒歩10分 駐車場:あり HP:

https://www.sayamaparks.com/noyama/

※キッズプログラムや自然観察会などのイベント情報はHPをご確認ください

 

取材・文/佐藤有香