<前編>

に引き続き、1年間のマルタ親子留学を経験した稲富佳織さんに、留学中に困ったことや心がけていたこと、親子留学をする上での注意点やアドバイスについてお話を伺いました。 果たして稲富さん一家の英語力はどのくらい伸びたのでしょうか? 親子留学によって得たものとは?

 

稲富佳織(いなとみかおり)さん(=写真右/世界遺産であるマルタの首都「ヴァレッタ」を背景に家族で)
「マルタ島 親子留学ブログ ADVENTURES IN MALTA」https://malta-family.com/

 

……留学中に困ったことはありましたか?

 

主人と娘がアレルギーを発症したことです。特に主人の症状がひどく、4〜5か月間通院しました。病院の診断でフラットのダニが一因という結果が出たのですが、語学学校側で所有している適度な大きさのフラットが埋まっていて、引っ越しができませんでした。 最終的には、マルタ在住の日本人ご家族の方が一時帰国する間、ご厚意でそのお宅を貸していただくことになりました。引っ越し後にようやく主人の症状が改善し、おかげで最後まで留学生活を満喫することができました。

 

……海外旅行保険は活用できましたか?

病院にはかなり行ったので、活用できました。病院の先生とのやりとりが英語の勉強になったくらいです(笑)。留学してから2週間ほどで娘がとびひに感染してしまったんですが、あえてエージェントに頼らずに自分たちで病院に行きました。 病院の先生も、難しい医療単語や症状は紙に書いてくれました。一見、難易度の高そうな病院での英語のやり取りも、一度経験してしまえば、そんなに難しくはありませんでした。エージェントの通訳に頼らず自力達でやりきったという自信になりました。

 

……日本とは環境の異なるマルタでは、戸惑われることも多かったと思いますが、留学生活を楽しむために心がけていたことはありますか。

事前に現地に行ったことがある人たちから「日本には物や生活の豊かさという良い点があります。マルタは少し生活が不便なぶん、心が豊かです。そこを楽しめれば、1年間の留学は実りあるものになるのでは」とアドバイスを受けていました。 ですから「郷に入れば郷に従え」の精神で「日本だったらこうだったのにな」という文句は言わないように心がけていました。 マルタでは文句を言い始めると、365日いつでも文句が見つかるんです。バスが定刻通りにこないとか、先生が授業に遅刻するとか(笑)。日本ではあり得ないと思うようなことが、普通に起るんですよ。そこでいちいち怒らないようにしていました。

 

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