■なぜうなぎを食べるのか?

土用の丑の日にはうなぎを食べるという風習ですが、なぜうなぎなのでしょうか。これには平賀源内が関係していると言われています。 もともと、うなぎは味が濃くてこってりとしているため、夏場になるとあまり売れないといった状況だったようです。確かに現在でも、夏場にはあまり味の濃いものなどは食べたいと思わなくなり、あっさりとしたものが食べたくなりますよね。 江戸時代も同様で、夏にうなぎはあまり売れていません。うなぎ自体他の魚と同じように旬は秋ということあり、同じ食べるのであれば、脂のしっかりとのった秋がよいというわけです。 そこで、うなぎ屋の店主が、平賀源内に相談にいったそうです。平賀源内といえば、エレキテルで有名ですが、学問や発明だけでなく、浄瑠璃の台本を書いたり、油絵まで描くといったように多才で天才ということで江戸中で有名だったそうです。 その平賀源内は丑の日に合わせて「う」のつく食べ物を食べると縁起が良いといった語呂合わせを考え、本日土用丑の日といった看板を店の前に置かせたそうです。 その看板を不思議に思って、町民たちが店の前で足を止めたところ、店主が語呂合わせの宣伝文句で客を引き込むことに成功したそうです。いわゆるキャッチコピーということですね。 これを他のうなぎ屋もまねをしたことで、いつの間にか土用の丑の日にはうなぎを食べるというのが定着していったそうなのです。実際に平賀源内はうなぎ屋以外にもさまざまなお店から相談を受けてさまざまなキャッチコピーを考えていたそうです。


■天然うなぎと養殖うなぎ

土用の丑の日にうなぎを食べる方は多いのですが、天然と養殖ではその値段も大きく違いますよね。どうしても天然物のほうが珍重され価格も高くなってしまいます。安く済ませるのであれば、養殖うなぎということになります。 実際によほど良質のうなぎを何度も食べたことがなければ、天然と養殖の違いはわからないかもしれません。養殖のうなぎを天然といわれても気が付かない場合もあります。以前、産地偽装などでも問題になったことがありますよね。 天然うなぎの方が同サイズであれば、胴回りも太く色も黒っぽいと言われていますが、産地によって違いがあり、見分けるのはなかなか困難です。 また、天然のうなぎの方が脂の乗りがよいと言われていますが、実際には、天然のうなぎの方が身がしまっていて脂も少ないのです。運動量の違いといったところでしょうか。 大うなぎに関して言えば、天然物であるといえるかもしれません。養殖物であれば、ある程度の大きさに育ったところで出荷されるので、あまり大きく育てることはないからです。 また、うなぎは完全養殖に成功はしているのですが、完全養殖をするにはかなりの費用がかかってしまうため、稚魚であるシラスうなぎを捕獲して養殖しています。完全養殖となると、ヘタをすれば、天然物よりも養殖物のほうが高くなってしまうのかもしれませんね。