妻が熟年離婚を決意するタイミングは、「夫の定年」がきっかけになることも多いのだとか。これまでは留守がちだった夫と、家にずっと一緒にいる…そんな日々を繰り返していると「もう嫌!」なんて、愚痴があふれてしまうことも。父の退職をきっかけに、愚痴が止まらなくなった母。それを聞いた妻が〝未来の自分〟を思う、切ないエピソードです。

 

 

良妻賢母だった母が1週間で別人に!(弥生さん/35歳/事務員)

 

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私の父は、外では仕事熱心で家では亭主関白。母はそんな父を、裏で支える良い妻でした。娘の私から見てもふたりは理想の夫婦だったんです。 ところが、父が定年を迎えた1週間後…母から急な電話があったのです。どうしたのか聞いてみると、なんと父の愚痴がオンパレードでした。 「お父さんが一日中テレビを占領して困ってるのよ!」


「あちこち散らかして歩くから、足の踏み場もないのよ!」


「口を開けば、ごはんなに? 私家政婦じゃないんだけど!」

1時間もノンストップでしゃべり続け、その日はなんとかおさまったのですが、3日に1回は「ちょっと聞いて…」と、父の愚痴を電話してくるようになりました。 たしかに自分のペースで心地よく過ごしていたところに、なにもしないおじさんが、ずっといるとなると…かなりのストレスですよね。わかる気がします。