本当に「老後には2000万円」が必要なのか?

 

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特に「2000万円必要」は、数字のインパクトだけが独り歩きしている印象です。というのも、老後のために必要な資金は「暮らし方」で大きく変わってくるからです。 例えばですが「老後資金2000万円」があったとしても、退職後の海外旅行で100万円、家のリフォームで500万円、子どもの結婚資金を200万円援助、毎月の赤字が月10万円(年間120万円)という暮らしをしていくと、わずか10年でなくなってしまいます。 いっぽう「老後資金1000万円」でも、年金の範囲内に支出を抑える生活ができれば、虎の子の1000万円を〝長生き〟させることもできるのです。 では、肝心の年金はいくらくらいもらえるのでしょうか。厚生労働省によると、2017年度の夫婦二人の平均年金受給額は、月額約22万円。ただし、この額のモデルは「会社員の夫と専業主婦の妻」です。 共働き夫婦の場合は、働いた年数や報酬にもよりますが、月額2530万円ほどは期待できることになります。年金生活ではボーナスに当たる収入がないので、毎月の支出をこの収入の範囲内に抑えられるかどうかがカギになるといえます。 

一般的な共働き世帯において、いまの家計状況からは「月額2530万円での暮らし」を想像するのは簡単ではないかもしれません。 でも、いまのうちから「毎月の支出を収入内に収める」家計を作り、定年まであと35年になった頃から「暮らしのダウンサイジング」に取り組んでいけば、年金の範囲内で生活するめども立ってきます。 ちなみに、2017年度「家計調査年報」によると、年金夫婦の毎月の支出平均は「約26.6万」円とのことです。