老後資金は赤字補填用ではなく「まとまった支出用」と考えて
こうして毎月の家計を整える一方で、旅行資金、リフォーム資金、子どもの援助資金、医療費、介護費用など、老後特有の「まとまった支出」に備える「老後資金」を準備しましょう。「老後資金」は貯めた貯金のほか、退職金と住宅ローンなどの借金の額で大きく変わってきます。 退職金については、共働きでふたりとも出れば安心ですが、最近では退職金がない会社、退職金はすべて「企業型確定拠出年金」という会社も増えています。退職金は必ずもらえるものではない、退職金の額は自分の運用しだい、という時代になっているのです。 同じ会社でも差が出ることがあるので、「一般的に」と考えるのではなく、あくまで自分の場合はどうなのかを知っておきましょう。
また住宅ローンは近年「30〜35年の長期ローン」を組む人が増えており、完済のために退職金を使ってしまったり、定年後も支払いが残る場合もあります。老後資金の確保という視点で見ると、できれば定年前に完済しておきたいところです。
「定年までの貯金」+「退職金」−「住宅ローンなどの借金」=老後資金
となるわけですが、「働き盛り世代」にとっては、貯金は子どもの教育費やマイホーム資金などに優先的に使うため、老後のための貯金まではなかなか手が回らないという現状もあります。ですが結論として「老後資金は専用の口座を作り、教育費やマイホーム資金とは区別して貯める」のがおすすめです。 その際には「つみたてNISA」や「iDeCo」などの税制優遇のある制度を使って長期的に積み立てていくと、比較的小さなリスクで定期預金より有利に増やすことができます。