■「私も働いてみたいわ」(ななこさん/40歳/事務)
5歳の娘が通う幼児教室に、ひときわ目立っているママがいます。いつも美容院の帰りのようなサラサラヘアに「何個持ってるの?」と聞きなくなるほどのブランドバッグ、車はベンツを乗り回していました。
そんなママの口癖は「息子も『パパみたいなお医者さんになりたい』って言うの」と、旦那がだという医者アピール。なにより腹がたつのが「私も働いてみたいけど、旦那が働くなっていうのよね」と〝悩み風自慢〟をしてくるんです。
「ちょっと合わないな…」と思っていた矢先、急に幼児教室を退会したと知りました。そしての彼女の存在を忘れかけていた頃、少し離れたスーパーで「研修生バッジ」をつけて働いている彼女の姿を見かけたんです。あのサラサラヘアを後ろで束ね、表情には疲れが漂っていました。
後日、教室のママ友から「ご主人がメンタル的に弱ってしまい、お仕事ができない状態らしいわよ」という噂を耳にしました。「働いてみたい」という彼女の言葉が、こんな形で現実になるなんて。皮肉なもんですね。