『おかあさんといっしょ』の11代目・たいそうのおにいさんとして、14年間もの長い間活動をされていた、小林よしひささん。毎朝番組の人気コーナー「ブンバ・ボーン!」で子どもたちと一緒に元気に踊るよしおにいさんは、子どもたちはもちろん、私たちママにとってもヒーローのようでした!
プライベートでは、0歳5ヶ月の娘さんのパパでもある小林さん。「小林よしひささん「たいそうのおにいさん卒業。37歳の転職」」に引き続き、等身大のパパとして、育児についてのお話を聞かせていただきました。よしおにいさんも私たちと変わらないんだ!と、とても親近感が湧きました。
パパとしてのよしおにいさん。テレビの中と同じ、やさしさにあふれていました!
育児は毎日が新しいことの連続で、楽しい!
── お子さんが0歳5ヶ月ということですが、まだまだ手がかかる時期ですよね。楽しいことや大変なことを教えてください
小林よしひささん:楽しいことも大変なことも、めまぐるしく毎日が過ぎていきます。日々が、新しいことの連続で。番組で14年間子どもたちと関わってきたとはいえ…育児となると、また全然違いますね。
── そういった意見は、保育園の先生からもよく聞かれますよね。
小林よしひささん:まさにその通りでで。毎日が勉強です。育児は大変なことの連続でもありますが、新しいことを知るということの楽しみもたくさん。目の前の子が日々成長している姿を見るのが、本当に喜びです。「小さいときって一瞬だよ」って話を、周りからよく聞くんです。そんな言葉を思い出すと、さらに娘と過ごす一瞬一瞬を噛み締めて過ごしていかなきゃな〜って。
── 現在テレビなどのメディアで活躍されていてお忙しいとは思いますが、娘さんと一緒にいられる時間って取れていますか?
小林よしひささん:そうですね、日によりますが、比較的取れているほうなのかな?仕事が忙しい日は朝早めに起きて、出かける前に娘と一緒に触れ合う時間を作るように、意識的に心がけています。
── どんなことをして触れ合われているのでしょうか
小林よしひささん:今は握るのがブームみたいなので、手を握りながら声かけをすると、ニコニコ笑ってくれます。これが本当に可愛くて!あとは、ジタバタするのが好きですね。適当に歌を作ってじゃれあってあげたりすると、笑うんです。そうすると「あ、これおもしろいの」って、どんどん歌や踊りを披露しちゃいますね(笑)
お風呂と離乳食準備。率先してやっています!
── 娘さんとの時間を大切にされているとのことですが、小さな頃だとどうしても授乳などで育児がママメインになっちゃいませんか?
小林よしひささん:そうですね。娘はちょうど最近、ミルクがイヤ!となり、母乳だけになってしまって。ミルクをあげることはできなくなってしまったのですが、それ以外のことに関しては極力妻のサポートをするようにしています。オムツ替えはもちろん、着替えやお風呂も、すべてやりますよ!お風呂は、私が一応メインの担当なんです(笑)。
── 最近の娘さんとの時間で、印象的だったことはありますか?
小林よしひささん:ちょうど3日前くらいに、離乳食を始めたんです。 というのも、私が食事しているときに泣くので膝に座らせると、ずーっと私の手を見ているんです。それで、自分の手をパクって食べるんですよ。私が手を食べていると思ったみたいで(笑)。「手はおいしくないでしょ?」っていいながら、可愛いな〜って観察しているんですけど。それがこの間、ようやく「箸で食べている」ということに気づいたみたいなんです。だから、自分のスプーンを渡して遊んであげました。そうすると、ガッと握ったんですよ、すごい力で!これは始めどきかな、と、離乳食をスタート! まずは、10倍がゆから。作るのって、時間かかりますよね…。ブレンダーを買いましたよ(笑)。ただ最初は、やっぱり丁寧にやってあげようと思っていて。今朝も仕事に行く前に早めに準備して、作ってから「いってきま〜す」って出てきました。いまのところは食べることにすごく興味があるみたいなので、うれしいですね。
── 娘さんの小さなしぐさも、見逃さないんですね!
小林よしひささん:はい。娘のいろいろな表情を見ていると飽きません。楽しいですよ!もちろん大変なこともありますが、楽しんでいけたらいいなと思っています。
母が料理が好きだったので、それを子どもにも伝えたい
── ご自身の小さなころはどんな感じで育ちましたか?
小林よしひささん:思い出すのは、外や公園に出たら誰かしら友達がいるような環境。だから、家にじっとしているというよりは、ずっと外で元気に遊びまわっているような子どもでしたね。 私は料理も好きなんですけど、それは母の影響が強いです。母が料理が好きで、よくその手伝いをしていました。そういうこともあって、離乳食もそうですし料理も作ります。
── ご自身が育った環境で、受けつぎたいと思うことはありますか?
小林よしひささん:やっぱり、食事についてですね。もともと料理することや食べることが好きだったので、食育アドバイザーの資格を取りました。食べることって、生きていく上でとても重要なことだと思います。それを、育児にも反映していけたらと思います。そういった意味では、体育も育児にどんどん反映していきたいですね。
── 子どもがイヤイヤ期で、大変。もうどうしたらいいかわからない…というときの乗り越えかたを教えてください
小林よしひささん:私の場合はまだ実感していないですが、ネットで調べたりして、「えーそんな時期が来るのかーー!」と思ったりします(笑)『おかあさんといっしょ』の収録に来る子でも、そういう時期の子がたくさんいましたね。現場で一緒のときは、ちょうど自我が出てくる時期だから、それを尊重してあげたいなというのはありました。イヤイヤ期って、その子が大人になる瞬間とも言いますよね。私が子ども対峙しているときに注意しているのは、「子どもととらえずに一人の人としてとらえる」ということです。 一括りに子どもといっても、いろんな性格の子がいるじゃないですか。乗り越え方としては、冷静になるというのは、とても大切だと思います。 ただ、自分の子どもだと、そんなに冷静にはいられないのかも…(笑)
── ワーママとしては働いて帰ってきて、お迎えから寝かせるまでバタバタ。分刻みのスケジュールのなかのイヤイヤはキツくて…
小林よしひささん:まあ、なんかそれもひとつ楽しみながら行こうかなあっていうのはありますね。言うだけなら簡単ですし、実際は大変なんでしょうけど…。一歩引いて子どもと接することも、すごく大切だと思います。 「それは親の都合じゃないですか?」と、自分に問いかけてみると冷静になれたりしますかね。 あとは、イヤイヤとなった場合は遊びの延長に持っていくのがいいんじゃないかなって思いますよ。例えば、手を洗わないなら「おもちゃを洗ってあげよっか」って誘って、おもちゃを洗ってもらいつつ手洗いをさせるとか…。 なんでも、遊びに変換していくと楽しめるのかな。実際そうなってみないと、分からないですけどね(笑)。ただ、焦りは子どもに伝わると思うんです。だから、大変なことも、楽しみながら。
── 最後に教えてください!子育てについて一番大事なことって何だと思いますか?
小林よしひささん:う〜〜〜ん、そうですね。 哲学的では全然ないのですが。一番最初に率直に思ったのは、「子育てとは、準備が大事」ということ。 いろんなことの準備ですね。心の準備もそう、モノの準備もそう。モノの準備なら、例えばミルクを飲ませるときも、あらかじめ哺乳瓶を消毒してすぐ使えるようにしておくとか。そうやって細かいことですが段取りをしておくだけでも、少しだけでも心に余裕が生まれることがあるのかなあ、と。ちょっとした先の準備をしておくだけで違うなと。…まあ、ついつい億劫になってしまうんですけどね。「ワンオペ育児」とも言われるような場合も、そういうこと一つでイライラが少しでも減るのかなあと思ったりします。
── 毎朝のたいそうのおにいさんのときと同じ、明るい声でやさしく答えてくださった小林さん。よしお兄さんも、私たちと同じなんですね。なんだか、元気をもらった気がします!
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PROFILE 小林よしひさ
NHK『おかあさんといっしょ』の11代目・たいそうのおにいさん。14年間の長い間務め上げ、2019年3月に卒業。同番組でスタジオの子どもたちと一緒に踊る「ぱわわぷ体操」や「ブンバ・ボーン!」は、世の子供たちのみならずママたちの元気の源になると話題に。また、大人気のキャラクター『すりかえかめん』とは、いまもなお親友とか。 現在は、各メディアでタレント活動や体操インスラクターとして活躍するかたわら、教育活動にも力を入れ始めている。
取材・文/松崎愛香 撮影/田尻陽子