2019年は太宰治生誕110周年の年。蜷川実花監督×小栗旬主演による映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』では、日本文学史上最大のベストセラー「人間失格」誕生秘話と太宰を愛した3人の女たちとの“究極の恋”が描かれます。
そして本作『HUMAN LOST 人間失格』では、日本文学の傑作である太宰治の「人間失格」をダイナミックにリメイク。破滅に至った一人の男の生涯を描き、その深い死生観・文学性が今なお強烈な衝撃を与え続ける不朽の名作が、世界に誇る日本最高峰のクリエイター陣によって再構築され、全世界公開となります!
「恥の多い生涯を送って来ました」
舞台は昭和111年の東京
医療革命により、“死”を克服した昭和111年の東京――
人々は体内の“ナノマシン”とそれらを“ネットワーク”により管理する“S.H.E.L.L.”体制の支配により、病にかからず、傷の手当を必要とせず、120歳の寿命を保証する、無病長寿を約束された。しかし、その究極的な社会システムは、国家に様々な歪を産み出す。埋まることのない経済格差、死ねないことによる退廃的倫理観、重度の環境汚染、そして、S.H.E.L.L.ネットワークから外れ異形化する“ヒューマン・ロスト現象”……。日本は、文明の再生と崩壊の二つの可能性の間で大きく揺れ動いていた。
堕落と死。生と希望。男は運命に翻弄され、胸を引き裂き、叫ぶ。 怒り。悲しみ。憐れみ――絶望に呑みこまれ、血の涙とともに大庭葉藏は“鬼”と化す。
貴方は、人間合格か、人間失格か――