『24時間テレビ』でチャリティーランナーをつとめた星野真里さんの夫で、TBSのアナウンサーとして活躍後、東京都議会議員として活動する高野貴裕さん。難病を患う娘さんが普通学級で授業を受けることに対し、ネット上で繰り広げられたさまざまな意見。「特別支援学校や、特別支援学級に在籍する子どもの現状を知ってほしい」と話すそのわけとは。

「やっと居場所ができた」娘の友達が家に遊びに

── 今年の『24時間テレビ』でチャリティーランナーを妻で俳優の星野真里さんがつとめました。日頃から家族でよく会話をしている様子が伝わり、家族の深い絆を感じたのですが、普段、娘さんとはどんな話をしているんですか。

 

高野さん:今、流行っていることや、学校でのできごと、普通の11歳の女の子が話すような他愛もない話です。

 

高野貴裕さんと娘のふうかさん
「生放送でもリラックスのこの笑顔!」24時間テレビ出演の際の舞台袖で高野さんとふうかさんの親子ショット

ふうかは公立小学校の特別支援学級に在籍しているのですが、先日、通常学級のお友達がうちに遊びに来て、楽しそうに女子トークをしていた様子を見て、「これだ。やっとふうかの居場所ができた」と思いました。友達ができるということは、同じ目線で会話ができるということ。本当に嬉しかったですし、娘自身が自分の居場所を作っているということが誇らしかったです。

「娘は分離されていない」と感じた友人との日常

── ふうかさんが、小学校に上がる前はどのような幼稚園生活を送っていたのでしょうか。

 

高野さん:私立の幼稚園で、共同教育(障がいなど支援が必要な子どもも同じ集団で生活をする教育)の枠組みで受験して入園したのですが、本当に素晴らしい園でした。「ふうかちゃんがきてくれることで、周りの子たちにいい影響もあるし、私たち教員も学ぶことがたくさんあるので一緒に生活しましょう」と言ってくださって。

 

── 電動車椅子に乗って園生活を送っていたと伺っています。自我が芽生え、好奇心旺盛なお年頃のお子さんたちとの園生活だったと思いますが、娘さんの様子はいかがでしたか。

 

高野さん:ふうかはおしゃべりが上手なので、周りの子とコミュニケーションが取れます。全身の筋力低下を引き起こす先天性ミオパチーという障がいがあり、電動車椅子に乗って移動しているのですが、周りの子たちから「なんで歩けないの」「早く立ちなよ」と言われたそうです。

 

それに対してふうかは、「私、障がいがあるから立てないんだよ」「そっか」って。これが当たり前という環境で育った子どもたちは、ふうかを色眼鏡で見たりフィルターを通したりせず、ひとりの人間としてつき合っていました。まさに、金子みすゞさんの「みんなちがって、みんないい」という詩のフレーズそのものだと思いましたね。子どもの頃にバリアを作らず、障がいを特性としてつき合っているので、ふうかは分離されていないと感じました。幼稚園時代からのお友達が、ふうかの親友になっています。

 

── 卒園後は、公立の小学校に入学されたそうですね。私立小学校も検討されたと伺いました。

 

高野さん:ふうかは、公立小学校の肢体不自由特別支援学級に在籍し、現在、5年生の通常学級で授業を受けています。肢体不自由特別支援学級が併設されている学校なので校内はバリアフリーで、エレベーターもあります。私立小学校も検討しましたが、私立小の場合は送り迎えの問題が出てきます。幼稚園の3年間は親が送り迎えをしてきたものの、小中高の12年間を考えると、肢体不自由特別支援学級は送迎支援があるので、家から学校までバスで通えることから公立小を選択しました。

 

私立小の学校説明会に行った際に、学校が「共生社会・バリアフリーの社会を目指す」と謳っているものの、体育館が2階にある、エレベーターがないなど、バリアフリー環境ではないことを知って、これが現実だと思いました。妻がチャリティーランナーをつとめた際に掲げていた「すべての子どもたちが自分の未来を選択できる世の中であってほしい」ということを切に願っていますね。