俳優の星野真里さんが、『24時間テレビ』のチャリティーランナーとしてゴールを切る前に娘のふうかさんを抱きしめた姿が目に焼き付いている方は多いと思います。星野さんの挑戦の前に、難病を患う娘・ふうかさんも大きな手術に挑んでいました──。家族の挑戦を、夫、父として見守った高野貴裕さんにお話を伺いました。
「妻こそ適任者」家族で挑戦の夏
── 今年の『24時間テレビ』で、妻の星野真里さんがチャリティーランナーをつとめました。80キロという長い距離を走り抜くというのは、なかなかできることではありません。事前にご家族に相談はありましたか。
高野さん:オファーをいただいてから、妻がふうかと僕に相談があるということで、3人で家族会議を開きました。僕とふうかは話を聞いた瞬間に拍手をして「がんばれ!応援するよ!」と。妻はそこで心を決めたようなのですが、僕から見ると、相談する前から走ることをすでに決めていたように感じました。ここ数年は、社会課題や福祉に関わりを持つ当事者がチャリティーランナーをつとめていると伺っていましたので、俳優として活動しながら難病の娘を育てる妻こそ適任者だと思いました。

── 生放送で、沿道の方や視聴者からたくさんの声援を受けて走ることへのプレッシャーは大きかったと思います。
高野さん:「せっかくいただいたチャンスだから楽しみたい」と妻は言っていました。自分が走ることで、病気と闘う子どもたちの現状を知ってもらうためのチャンスだと思っているって。そのためにトレーニングを地道にがんばっていました。
運動といえば、ジョギングや体調を整えるためにヨガやピラティスを少ししていただけで、マラソンは明石家さんまさんの番組で20代の頃にフルマラソンを走った以来。今回のような長距離を走ったのはかなり久々で、きっと不安はあったと思いますが、それを決して見せない妻の強さを感じました。
母の激走の前に…娘は背中にボルト22本の大手術
── 星野さんが、ゴール前にご家族のもとに駆け寄って娘のふうかさんを抱きしめた姿が印象的でした。『24時間テレビ』で星野さんが走る前に、先天性ミオパチーを患うふうかさんが手術をされていたそうですね。
高野さん:妻がチャリティーランナーとして走ることが決まる前から予定されていたことなのですが、娘は、先天性ミオパチーによる筋力の低下で、背骨が左右に曲がってしまう側弯症を治すための手術に挑みました。夫婦で交代しながら娘のつき添い入院をし、妻は空き時間にランニングをして体を整えていました。無事に娘の手術が終わり、妻がランナーをつとめあげた今だからこそ言えることですが、妻と娘はお互いに励まし合って、心の支えになっていたように思います。
「ママも一生懸命走るから、ふうかもがんばろうね」「私が先に手術をがんばるから、ママもがんばって」とお互いに気持ちを昇華させていたのかなと見ていて感じましたね。
── 手術後のふうかさんの背中は見違えるほどまっすぐになりました。22本のボルトと、40センチのプレートを背中に入れて補強する大手術だったと星野さんがインスタグラムで報告されていました。術後は相当な痛みもあったそうで。
高野さん:無事に手術が終わった後はすぐにリハビリが始まりました。「ママがゴールする、両国国技館に間に合うようにがんばろう」と話をしながら、娘は人生最大の痛みに耐えながら前向きにリハビリに向き合っていました。