手術後も続く後遺症と共存する日々

── 手術する病院はご自身で決めたのですか?
歩さん:そうですね。先生に提案された病院すべてに電話した結果、予約が一番早く取れたがん専門病院に行き、3週間後に手術を行うことに。この段階では「くよくよ考えても仕方ないから、できるだけ早く切ろう」とすでに気持ちは切り替わっていました。
手術が終わって5時間後に目が覚めたのですが、全身管につながれ、まったく身動きができない。水すら飲めない生き地獄でした。3人目の出産もつらかったのですが、この手術は本当につらかったですね。でも、「これで助かる」と思えたことが唯一の希望でした。
── 退院してからの生活はいかがですか。
歩さん:想像以上に後遺症が大変でした。大腸がんにもいろんな種類がありますが、私は直腸がんでした。人工肛門は逃れましたが、頻便、便漏れなどの排便障害が残り、とくに術後しばらくは大変で。自分の意思とは関係なく漏らしてしまうので、紙おむつを常に手放せませんでした。それも徐々に改善し、今は紙おむつを履いていませんが、排泄の頻度が高いのでコントロールするのに苦労しています。現在、3週間に1度のペースで通院し、便意の回数をコントロールする薬を処方してもらい服用していますが、その加減が難しく安定しないですね。
── 仕事や育児への支障もありますね?
歩さん:頻繁にトイレに行くので、長時間トイレに行けない環境のときは厳しいですね。大事な会議や学校行事でも落ち着かないし、長時間の移動も心配です。見た目ではわからないので、説明しないと理解が難しいと思います。がんは手術で切除すれば治療は終わりではなく、こうした後遺症を抱えることもあります。当事者の苦労がもう少し認知されるといいのですが。