外出のたびに火元確認のため何度も自宅に戻って

── それは…つらいですね。
松野さん:最初は「更年期かな?」と思ってレディースクリニックで検査したのですが、卵巣は2つとも残っているから女性ホルモンの数値はそんなに減っていなくて。私としては「更年期」と言われたほうがラクだったんですよ。「やっぱり年齢的なものか、もしくは子宮を取ったからか」と納得できますから。
反対に、更年期ではないとわかると「じゃあ何でこんなに気分が落ち込むんだろう」と、さらに不安が募りました。そのうち、なぜだか「家が火事になったらどうしよう」という不安につきまとわれるようになったんです。
── 火の元が心配になるような不安でしょうか?
松野さん:そうです。ガスコンロの火を消したか心配になって、外に出かけても3回くらい家に戻っていました。コンロの上に手を置いて、熱くないかを確認して「大丈夫」って言って家を出るんだけど、「やっぱりもう1回戻って確認しておかなくちゃ」という気持ちに。
その後は自宅に見守りカメラを置いて「大丈夫だよね」とつねに確認して。あと、コンセントから出火しないかも心配になり、使わないときは家じゅうのコンセントを抜いて回っていました。物置部屋のコンセントはホコリが溜まっていそうでとくに心配で。焦げ臭いにおいがするような気がして、夫に確認するようにもなりました。
── 不安な気持ちに飲み込まれるようですね。
松野さん:それでも、飼い猫の世話をしている間は気が紛れていたのですが、ひどいときは猫のご飯も作れなくなってしまいました。頭では「ご飯あげなくちゃ」と思うんだけど、体が動かない。完全に止まっちゃって、リビングに座って時計をずっと見ているんです。
1分が長く感じて、だんだん息苦しくなってきて、立ち上がってひたすらリビングを往復する。そのうち「夫に嫌われているんじゃないか」と被害妄想に取りつかれたり、朝がやってくるのがつらくなって「生きる楽しみがない」と感じたりするようになってしまい、ついに精神科を受診することにしました。
── だんだんうつ症状が重くなっていったようですが、精神科の受診はハードルが高かったですか?
松野さん:半年くらいかけてじわじわと不安が増していったのですが、「自分はそんなに弱い人間じゃない、芸能界も経験してタフなほうだから自分で何とかできる」と思っちゃってたんですよね。「ヨガなどで副交感神経を整えて、リラックスする時間を取れば大丈夫」だと考えていたくらい。
病院に行った日も、最初は夫と森林浴に行く予定だったんですよ。でも前の晩、お風呂に入りながら「これは森林浴へ行ってもよくならないわ」と、理由はわからないけれど、ふと思い始めて。入浴中にスマホ操作をして、近くの精神科のクリニックを調べて予約しました。
お風呂から上がると夫に「明日、精神科の病院に行ってくる」と宣言しました。夫も内心は驚いたと思うんですよ。精神科に行くほど追い詰められていたのかって。でも「わかった」と、フラットに受け止めてくれて助かりました。私がものすごく心配症になり、夜中眠れずベランダでずっと空を見ているのも知っていましたし、原因不明の息苦しさについても伝えていたので、察してくれたんだと思います。