あの2週間の苦しみを味わわないためにも

── まさに満身創痍の状態だったのですね。事前に聞いていた「綿を抜く恐怖」にはどう対抗したのですか。

 

小島さん:「気絶するほど痛い」と聞いていたので、事前に綿棒で血の塊を少しずつ取り除くなど、自己流で対策をして臨みました。その甲斐あってか、痛みは我慢できる程度でしたが、鼻の奥深くに入り込んでいた大量の綿を一気に引き抜かれる瞬間は、不快感と異物感が凄かったです。

 

── 壮絶な2週間を経て、呼吸や体調はどう変わったのでしょうか。

 

小島さん:綿が抜けて鼻うがいを続けるうちに、これまで経験したことがないほどスースーと空気が通るようになりました。ようやく手に入れた「鼻呼吸」に感激しましたね。

 

変化は睡眠だけでなく、体全体に現れました。慢性的にガチガチだった肩が、術後に驚くほど柔らかくなったんです。無呼吸による夜間の緊張状態から、ようやく体が解放されたのだと思います。朝の目覚めも格段に軽くなり、以前高めに出ていた血圧も落ち着きました。

 

ただ、長年の癖で無意識に息を止めてしまうことがあるため、夜間は口元にテープを貼るなど、今も鼻呼吸の定着を意識しています。もし無呼吸症に悩んでいるなら検査をお勧めしますが、私の経験から言えるのは、鼻と喉の同時手術はおすすめしません。あの2週間の苦しみを味わわないためにも、まずは段階を踏むことを強くすすめます。

 

取材・文:西尾英子 写真:小島可奈子