サッカーのエリート街道を進み、海外でプロとして活躍したサッカー日本代表・森保監督の次男・圭悟さん。現役引退後に選んだのは、当時まだ未開だったサッカー系YouTuberとしての道でした。同級生を誘うも2年間芽が出ず、バイトで食い繋ぐ日々。しかし、その情熱は徐々に視聴者を巻き込み、「またボールを蹴りたくなった」という気持ちを喚起させつつあるのです。

現役引退後の道はユース時代の仲間と一緒に

── スポーツ選手のセカンドキャリアとして、指導者や競技の裏方などを選ぶ人は少なくありません。ですが、森保さんが選んだのは、当時まだ珍しかったYouTuberという道でした。しかも一緒に立ち上げたのは、サンフレッチェ広島ユース時代の同級生たち。仲間とゼロから始める挑戦にどんな可能性を感じていたのでしょうか。

 

森保さん:現役を引退してYouTubeを始めた約6年前は、まだプロの世界を経験した人間が本格的に配信するサッカー系チャンネルが少なかったんです。どうすれば見てもらえるのかは、かなり考えました。他のジャンルなど、多くの動画を研究するなかで感じたのは、作り込まれたものより、「親近感のあるもの」のほうがウケるということ。仲間同士でワチャワチャしている感じや、素のやりとりが見えるほうが、視聴者も一緒に楽しめる。それなら同じチームでずっとプレーしてきた自然なノリをそのまま出すのが一番いいと考え、同級生を誘ってチャンネルを始めたんです。

 

リゼム 森保圭悟
圭悟さん(写真一番右)たち「リゼム」のYouTubeは2021年、チャンネル登録者数が10万人突破!

── ところが、最初の2年ほどは芽が出なかったそうですね。楽しいノリで始めた仲間同士でも、結果が出ない時間が続けば、関係がギクシャクしてもおかしくありません。実際にぶつかったり、「もう辞めよう」と、あきらめそうになったりはしなかったのでしょうか。

 

森保さん:たしかに始めた頃はチャンネル登録者数が少なくて、アルバイトとの二足のわらじ状態でした。「友達とは一緒に仕事をしないほうがいい」と言う人もよくいますが、僕らはもともと何でも意見を言い合える関係なんです。思うところがあれば腹を割って話せるし、互いの考えをすり合わせながらよりよくしていく方法は、サッカーのピッチ上で培ってきたもの。

 

そのチームづくりが今の活動にも役立っているんです。たとえ反対意見が出てもネガティブに受け取るのではなく、「なるほど。でも俺はこう思うけどな」と意見をぶつけ合う。異論を相手への否定ではなく、チームをよくするための話し合いとして受け止められるからこそ、感情的なケンカにはならないんです。