「不規則・不摂生という言葉通りの生活でした」。ブラック企業に勤め、終電で帰るのが当たり前の生活。唯一のストレス発散は「食べること」だったのんさん(@non_110kg)。心身を壊して引きこもりがちになった女性が自らを再び奮い立たせたのは父の病でした。
当時はつらさを埋める感覚でお腹を満たした

── 自身の経験からダイエット情報を発信しているのんさんですが、以前は体重が110キロもあったそうですね。…ちょっと、いまからは想像がつきません。
のんさん:「不規則・不摂生」という言葉通りの生活を送った結果です。社会人として入社した会社がブラック企業で、帰宅は毎日、終電が当たり前。そのストレスを解消するために、たとえばファミレスで数人前のオードブルセットをデリバリーしてひとりで食べたり。ご飯も1食3合をたいらげていました。
── ストレスの解消方法は「食べること」しかないという方は多いと思います。まして終電帰りであればなおさらです。
のんさん:そうですね。当時はつらさを埋めるような感覚でお腹いっぱい苦しくなるまで食べ、結果としてどんどん太っていきました。最終的には、心身を壊してしまって。会社を辞めて転職し、今度は在宅ワークの仕事に就きました。
すると、外出する必要がなくなったんです。仕事も買い物もオンラインですむし。娯楽もゲームやSNSがある。太って着られる服もないし、給料も高くないので友達とも遊びに行けない。それに、外に出れば他人の目線が気になるので、「それなら家でひっそり生きたほうがラクだな」と考えるようになりました。
── 引きこもりのような生活だったのですね。ただ、3年ほど前にお父さんが倒れたことにより、価値観が変わったそうですね。
のんさん:ある日、夜勤の仕事から帰ってきた父と入れ違いでリビングに入ると、家具や服が泥棒が入ったようにめちゃくちゃになっていました。これはおかしいと感じてすぐに父のところに行き話しかけてみると呂律が回っていませんでした。それで救急車を呼んだところ、脳梗塞と診断されて。私の家族はみんな太り気味なんですが、特に父は肥満で血圧も高く、お医者さんから「気をつけないと、危ないよ」と注意されていたんです。
搬送された病院で「治らなかったら仕事はできなくなる。車椅子生活になるかもしれない」と説明を受けました。父はいつも明るくはつらつとした人だったのですが、その言葉に父は呆然としていて…。それまでに見たことのなかった、父のうつろな表情は今も忘れられません。
顔の半分が麻痺してしまい、うまく話せなくない父の姿を見ていたら私もとても怖くなりました。父が倒れたことを迷惑だとはまったく思いませんでしたが、「私が太ったままでいたら同じように倒れて大好きな家族に迷惑をかけてしまうかもしれない」という危機感が生まれました。それまで「ラクなほうへ」と逃げてきた自覚があったので、人生で1度くらいは努力してみてもいいんじゃないかと減量を決意したんです。