部屋の継承と1歳児の子育てがスタートし

放駒親方・みちこ
おかみ業をしながら、小さな2人の子を育てるママでもある美智子さん

── 相撲界には独自のルールや伝統、文化があります。結婚するにあたって不安などはありませんでしたか。

 

美智子さん:付き合っている頃から親方には将来、部屋を継承する可能性がゼロではないことは聞いていて。だから結婚するならそれなりの覚悟が必要なこともわかっていました。付き合っていた当時、毎回会うたびに「大丈夫?」と聞かれていたんですが、私としてはまだ起こってもいないことを考えても仕方がないし、「なるようにしかならない」という感じでした。

 

── 結婚後、部屋を継承しておかみさんになるまでは、どのような生活を送っていたのでしょうか。

 

美智子さん:親方は当時、部屋付き(自身では相撲部屋を持たず、師匠の部屋に所属して力士の指導を行う立場)だったので、船橋にあった部屋(旧二所ノ関部屋)と自宅を往復する日々でした。親方は巡業などで忙しかったので、私も自宅サロンとの二重生活を送っていました。その後、妊娠がわかって、仕事は徐々に減らしていきました。

 

──2021年12月に、元大関・若嶋津さんが師匠を務めていた旧二所ノ関部屋を引き継ぐ形で、放駒部屋と改称し、部屋持ち親方としての生活が始まりました。

 

美智子さん:急に決まったわけではなく、お付き合いしている頃から(部屋を継承する)可能性があると聞いていました。だからおかみさんになることも、割とすんなりと受け入れられていたような気がします。ただ「おかみさんになる」とはいえ、実際に何をすればいいか、ほぼ何もわからない状態でのスタートでした。

 

ただ、先代のおかみさんが「わからないものは仕方がないわよ」といつも励ましてくださったんです。それでも、ふとした瞬間にあれもこれも不安になって相談すると「大丈夫。親方についていけばいいんだから」と、心を落ち着かせてくださいました。

 

しかも、ちょうど部屋開きした頃は長男が1歳になる少し前で。私にとっては初めての子どもだったので、正直なところ子育てのほうが大変でした。当時は行司さんや呼び出しさん、床山さんなど、裏方さんが部屋のことをいろいろ整えてくださって、助けられました。