「私は用心深いから大丈夫」「ダマされるわけがない」と思いこんでいる人ほど、詐欺にあってしまう。歌手の北山みつきさんも、ふだんはどんな詐欺電話がかかってきても即シャットアウト。ただ、知り合いの大物タレントを名乗る人物とは、世間話から始まって、お金の話が出たのはそれから3か月後のこと。まんまとダマされそうになった内幕を聞きます。
なりすましの巧みすぎる懐の入り方に騙されて
── ギニア出身のタレント、オスマン・サンコンさんの「第3夫人」として知られる、歌手の北山みつきさん。実は昨夏、親交のある大物有名人のなりすまし詐欺に遭い、あわや約100万円を振り込む寸前までいったといいます。一体、何があったのでしょうか。
北山さん:私自身、自分が詐欺にダマされるなんて夢にも思っていませんでした。自宅に怪しい電話がかかってきたとしても、「あなた、詐欺ね?」と言い返して電話を切るくらい、ふだんから警戒して、シャットアウトしてきたんです。
でも、今回は手口がまったく違いました。相手は私が直接知っている大物有名人を騙る人物でした。業界の大先輩で私にとっては絶対的な存在です。Facebookで連絡が来て、そこからメッセンジャーでやりとりするようになったのですが、そんな方から直接、連絡が来たら「失礼があってはいけない」と思って、返事をしないわけにはいかないじゃないですか。言葉の選び方やフレンドリーな空気感もご本人にそっくりで、疑う余地もなく完全に信じ込んでしまったんです。
── ふだんはガードを固めていたのに、そこまで相手を信じ込んでしまったのはなぜでしょう。
北山さん:なりすまし人物の懐の入り方が、ものすごく巧妙だったんです。連絡が来るのはいつも、私が仕事から帰宅し、ホッとひと息つく夜22時〜23時頃。「おお、みつきちゃん!ちょっとこの間の件だけどさあ」と、親しげなメッセージが届くようになりました。
毎日、「仕事お疲れさま」と労ってくれたり、長い文章で私の話を親身になって聞いてくれ、「大丈夫、みつきちゃんの夢はきっと叶うから」なんて励ましてくれるんですよ。大物で多忙な先輩が、こんな夜遅くに私のために時間を割いて気にかけてくれるなんて…と、その「優しさ」にすっかり心を奪われてしまいました。
3か月にも及ぶやりとりのなかで、いつのまにかその時間が日々のルーティンになっていたんです。疲れて目がしょぼしょぼしているのに、「帰ったら今日のできごとを報告しよう」と、無意識にスマホを操作する自分がいて。気がつけば、そのやりとりが私の「心の支え」にもなっていたんです。今思えば、完全に洗脳状態ですよ…。
── 3か月も…。それだけ毎日のようにやり取りしていたら、疑うという発想自体がなくなっていきそうです。そこから、どうやってお金の話になっていったのでしょうか。
北山さん:会話のなかで、「今、いちばん力をいれていることって何?」「最近どんなことに興味を持ってる?」と、さりげなく質問してくるんです。私も「仕事の話かな」と思って、自分のことを一生懸命に説明していました。
思えば、うまく情報を引き出されていたんですよね。そうしたら途中からLINEに移行させられて、「僕ね、ギニアを応援したいんだ。ギニアに学校を作ろうよ」と、持ちかけられたんです。「いい投資の話があるから一緒にやろう。僕の特別なコネクションでやっているものだから、人に言ったらダメだよ」と。
これが単なる儲け話だったら関心がないからスルーしていました。でも、「ギニアの学校」と言われた瞬間、完全に気持ちを持っていかれちゃって。ギニアに学校を作ることは、私が人生を懸けてエネルギーを注いでいるいちばんの夢です。相手はすぐに金銭を要求するわけではなく、長い期間をかけて私の夢やいちばんの急所を探り当て、そこをピンポイントで突いてきたんです。