デビューは映画『鉄道員』多忙な幼少期

── 小学生から芸能界で活躍していましたが、そもそもこの世界に入るきっかけはなんでしたか。

 

谷口さん:小学校中学年のときに母が雑誌で事務所の募集を見て応募したのがきっかけでしたが、私はまったく興味がなかったので、大人が話しているのを聞いていただけでした。

 

── デビュー作は、高倉健さん主演の映画『鉄道員』で、広末涼子さんの幼少期を演じました。

 

谷口さん:小学5年生のときにオーディションを何回か受けて役をいただいたのですが、レッスンも何も受けていない普通の子どもがいきなり大人の現場に連れて行かれたという感じです。演技もまったくの素人でした。

 

── かなり忙しい生活だったと思います。

 

谷口さん:「私、今何しているんだっけ」というくらい毎日が目まぐるしかったです。朝3時に埼玉の実家にハイヤーがお迎えに来て東京のテレビ局へ。朝の生放送後に電車で埼玉に戻り、3時間目くらいから授業を受け、放課後、また東京に行く日もありました。

 

── 芸能の仕事は自分で希望したわけではなかったそうですが、仕事は楽しめていましたか。

 

谷口さん:一緒に出ている子たちが同世代で、現場が学校のような感じだったのですごく楽しかったです。『おはスタ』の山寺さんが私たちのことを気遣ってくれて。自分から飛び込んだ世界ではなかったものの、周りは将来を見据えて仕事をしている子たちがたくさんいたので、私もそれに刺激を受けて、意識も少しずつ高まっていきました。

 

小学校高学年から中学校にかけては本当に忙しく、中学校はほとんど通えませんでした。今しかない学校生活を楽しみたいと、高校では仕事をセーブして。そこで当時流行し始めたギャルにハマり、ギャル雑誌に出るように。今まで出ていた雑誌とは系統が違ったのですが、自分の好きなことを突き詰めていくのが楽しかったです。

平成女子ランキングにも!再注目される現在

── 現在は4人のお子さんがいらっしゃるそうですね。どんな仕事をされているんですか。

 

谷口さん:Instagramを中心に、インフルエンサーとして活動をさせてもらっています。主人と結婚して、2人目が産まれたころからSNSで仕事の依頼をいただくようになり、子育てと並行して始めました。女性誌のモデルをすることもあります。

 

── 平成ブームの現在、再び注目される機会が多いそうですね。

 

谷口さん:みなさんが私のことをSNSに上げてくれることもありますし、平成女子ランキングなどにも入れていただいているようです。当時、雑誌の付録だったプリントシールを「まだ持ってます!」とコメントをくださる方もいます。

 

私も昔の写真をInstagramに投稿したところ、フォロワーが一気に増えました。まだ私を知ってくださっている方がいるんだと思うとうれしいです。うちの子どもたちも、私がマクドナルドのCMに出ていたころの映像を観て「ママ、昔どんな感じだったの?」と聞かれることもあります。

 

── 今後、取り組んでいきたいことはありますか。

 

谷口さん:4人の子育てをしているなかで、だんだんと自分のハングリーさがなくなってしまったのを実感していて。ここ数年の優先順位は自分のことよりも完全に子どもになっていました。子育て以外の余力が残っていないというのが正直なところで。

 

でも、下の子が幼稚園に通うようになり少しずつ手が離れてくると、だんだんとやりたいことが出始めてきたんです。モデルもそうですし、手に職もつけたいなと。自分を応援してくれている方の声をいただけてやる気も湧いてきていますし、私にもまだできることがあるのかなと思い始めています。

 

私が雑誌やテレビで仕事をしていたころは、基本的に受け身で。「次はこういう仕事がありますよ」と大人にレールを引いてもらっていました。時代が変わって、今は自分で自分を売り込むといいますか、個々が能力を持って、それを出していく時代に変わったなと感じています。その意味でSNSは便利なツールですね。子育ての隙間時間を有効活用して、少しずつ自分を取り戻していきたいと思っています。

 

取材・文:内橋明日香 写真:谷口紗耶香