「明日、支払う予定の学費が消えた」。机の引き出しから10万円を抜き取り、使い込んだのは実の父でした。今では40枚以上のクレジットカードを駆使し、節約で貯めたお金で7回もハワイ旅行をしてきたポイ活の達人、芸人の井上ポイントさん。彼がお金の管理に目覚めたきっかけという、超ルーズな父から学んだお金の本当の大切さとは。

消えた10万円…使ったのは父だった

井上ポイント
幼少期の井上さん

── 年間約50万円分もポイントを貯める芸能界屈指のポイ活芸人として知られる井上さんですが、お金や節約などに興味が強いのは育った環境などの影響が大きいのでしょうか?

 

井上さん:そうですね。ただ、みなさんが思うような環境とは少し違うかもしれません。というのも、僕の父はお金の管理に厳しい「節約家」とは真逆で、かなりルーズな人間でした。大学時代は僕の学費を勝手に使い、僕は一度は退学しかけたこともあったくらい。そんな父を反面教師にしたことで、「無駄遣いはせず、お金をしっかり管理しよう」と思えたのかもしれません。

 

── 父親が学費を使い込んで退学のピンチとは…大変でしたね。

 

井上さん:学費を勝手に使うなんて信じられないですよね。しかも、大学の授業料は親を頼らず、奨学金とバイト代で捻出し、定期的に自分で納めに行っていたんです。それまで学費は大切に、机の引き出しにしまっていました。でも、大学3年の支払日前日、引き出しを見たら10万円たりなくて…。自宅ですから、家族の誰かが使ったとしか考えられず、父を問い詰めると「ごめん、盗った」と。驚きですよね。

 

結局、期日までに学費を払えなかったため大学からは退学通知が来てしまい、僕は退学寸前に。「さすがにまずい」と感じた父がどこかから10万円を集めてきて、結果的に大学の温情で退学は免れました。実は、弟も同じ目に遭っています。弟の場合は、大学に入学しましたが、学費が払えずに途中で退学になりました。

 

── お父さんはお金にずっとルーズだったのですか?

 

井上さん:僕の知る限りはそうですね。きっかけはわかりません。僕が小学生のころに母が事故で急に亡くなったという寂しさやストレスがあったのかもしれません。父は働いてはいましたが金遣いが荒く、家にヤミ金が来たこともあったし、お金がないのにタバコやお酒に散財していました。

 

ただ、学費のことを除けば僕や弟が生活で特に困った、貧乏だと感じることはなかったんです。男手ひとつでふたりの子どもを育てる苦労は今、自分が父親になって想像できる部分もあり、父に対して恨みはまったくありません。でもお金に関してはきちっとしなければと強く思うようになりました。